液晶ビューファインダーを搭載するミラーレスカメラ、オリンパスのOM-Dシリーズ。「OM-D E-M1 Mark II」は、そのシリーズのプロフェッショナルモデルになるが、今回、もうひとつのプロフェッショナルモデルが登場した。それが、2月22日に発売された「OM-D E-M1X」である。
オリンパス OM-D E-M1X レビュー
② AIを活用したAFって? インテリジェント被写体認識AFを試してみた
③ NDフィルターの効果を疑似的に再現!? ライブNDを試してみた
④ 手持ちでも圧倒的な精細感! 手持ちハイレゾショットを試してみた
⑤ シャッター速度4秒の手持ち撮影!? オリンパス「OM-D E-M1X」レビューまとめ
有効画素数「約2037万画素」4/3型Live MOSセンサーの採用や、AF/AE追従「最高18コマ/秒」の高速連写など、プロフェッショナルモデルで重視される部分に変更はない。だが、大柄な望遠レンズを装着した際の安定感(バランス)や、横位置と縦位置で同様のホールディング性を実現するために、縦位置グリップ一体型の形状になっている。また、その形状の違いに伴って、いくつかのボタンやダイヤルの形状や配置が変更され、操作方法や操作フィーリングに違いも生じている。
まずは、そうした外観・操作性の特徴について見ていこう。
縦位置グリップ一体型の重厚感あるボディ。その細部をチェック!
グリップ部のボリューム感(厚み)も印象的な、OM-D E-M1Xボディ。心情的には、モードダイヤル右の空きスペースには、表示パネルなどを搭載して欲しかったところ。
縦位置グリップ一体型の大柄なボディなので、背面に配置されるボタンやダイヤルが増えても窮屈さは感じず操作感も良好。1点だけ、埋め込み型になったコントロールダイヤル(後ダイヤル)は、動きがやや軽いせいもあって、使用中に意図せずに動いてしまうことがあった。
2つのSDカードスロットは、いずれも高速なUHS-II対応。ちなみに、カードスロットのカバー開閉は、下に配置されるカードカバーロックによって行う(OM-D E-M1 Mark IIはカバースライド式)。
ファインダーを覗いたままで、AF測距点やエリアの位置をすばやく移動できる「マルチセレクター」を新設(※写真中央)。連写の最中や動画撮影中の移動も可能だ。
電子ビューファインダーの倍率は、最高0.83倍(35mm判換算)と非常に高倍率。ちなみに、上の画像は画面上に各種情報表示を重ねない、倍率が下がるレイアウト表示(スタイル2)。それでも、OM-D E-M1 Mark IIの最高倍率と同じ大きさなのである。
そのほか、従来(IPX1)よりもはるかに厳しい防滴試験を実施し、より過酷な環境下でも使用できる進化した防塵・防滴・耐低温構造や、OM-D E-M1 Mark IIの20万回を大きく超える、40万回の作動試験をクリアした高耐久シャッターユニットの搭載など信頼性も抜群だ。
撮影機能に関しては、画像処理エンジン「TruePic VIII」を2基搭載することで、起動やデータ書き込み等の高速レスポンスを実現。次回以降の記事では、それによって実現した「手持ちハイレゾショット」「ライブND」「インテリジェント被写体認識 AF」といった、最先端の撮影機能について紹介していこう。