カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2019」(2019年2月28日~3月3日/パシフィコ横浜)会場から写真でレポート! 注目の新製品や各社のイチオシ、取材スタッフが見つけた注目アイテムを紹介します。
【キヤノン】大三元やポートレートレンズなど、6本のRFレンズを参考展示
キヤノンブースの入り口正面には、EOS Rシステム対応のレンズがずらりと並べられ、充実したシステムをアピール。中央には最新モデルの「EOS RP」「EOS RP GOLD」を筆頭に「EOS R」と発売中のRFレンズ4本、そして開発中のRFレンズ6本が並べられ、その下には発売になったばかりの「ドロップインフィルター マウントアダプター EF-EOS R ドロップイン 円偏光フィルター A付」(右から2番目)と「EF-EOS R ドロップイン 可変式NDフィルター A付」(右)を含めた4本のマウントアダプターが整然と並んでいた。
開発中のRFレンズ6本に関しては、 モックアップの展示のみということで、詳細な仕様や価格、発売時期などは未定とのことだった(2019年中の発売を目指すという)。発表されている以上の新しい情報はなかったものの、実際の大きさを確かめることはできた。
左から、非常にコンパクトになった望遠ズームレンズ「RF70-200mm F2.8 L IS USM」、広角ズームレンズ「RF15-35mm F2.8 L IS USM」、汎用性の高い標準ズームレンズ「RF24-70mm F2.8 L IS USM」。いずれもズーム全域で開放F値2.8の大口径ズームレンズで、「L(Luxury)レンズ」の新たなラインアップという位置付け。描写性能や操作性、堅牢性などの点で最高水準の性能を追求しているだけに、その価格は気になるところだが、3本揃えれば間違いなし!の大三元レンズだ。
特に「RF70-200mm F2.8 L IS USM」は、これで望遠ズームかっ!? と思えるほどコンパクト。白レンズでなければ、とても望遠ズームには見えないサイズだ。3本並べてみてもそれほど大きさが変わらない。この辺りがショートバックフォーカスを活かしたRFマウントのメリットと言えるのだろう。もちろん3本とも手ブレ補正IS機構を搭載。広角ズームレンズ「RF15-35mm F2.8 L IS USM」にもISが搭載されている点にも注目したい。キヤノンの高画質へのこだわりが感じられる。
こちらは、開放値F1.2の大口径中望遠レンズ「RF85mm F1.2 L USM」(左)と、ボケ像のエッジを滑らかにするDS(Defocus Smoothing)機構を追加した「RF85mm F1.2 L USM DS」(右)。一見すると見た目は全く同じだ。光学系も同様のレンズだが、DSには鏡筒の付け根部分に“DEFOUCU SMOOTHING”の刻印があって見分けることができる。85mm F1.2のLレンズというスペックだけで、ボケ味のキレイなポートレートレンズとして、必要十分な性能を秘めたレンズということが想像できる。
「RF85mm F1.2 L USM DS」は、さらに開発中のキヤノン独自の蒸着技術を駆使し、ボケ像のエッジを滑らかにして、柔らかな独特のボケ描写を実現するという。開放F値1.2の大口径レンズということで、大口径の広角レンズを思わせるような大きな前玉が目を引く。また「EF85mm F1.2L II USM」にあったマウント部のくびれが目立たなくなっているのは、ショートバックフォーカスによるものだろう。
無理をして大口径にしたわけではないよ!といった印象のデザインには、画質に対する自信さえうかがえる。もちろん画質も気になるが、カメラとのバランスも気になるところ。デビューを待ちたい。
広角24mmから望遠240mmまでの幅広い焦点域をカバーする10倍の高倍率ズームレンズ「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」。高倍率ズームながらコンパクトなレンズとなっており、動画撮影にも適した高倍率ズームの実現を図っているということなので、旅行やスナップ、風景、ポートレートなど、被写体を選ばずに様々なシーンで使える汎用レンズとなりそうだ。
〈文・写真〉柴田 誠