高砂淳二さんの写真集『PLANET OF WATER』が発売された。
地球の約2/3は水分でできているそうだ。人間の身体もそうであるのは、自然のあるべき姿だからかもしれない。水は養分と微生物を蓄え、地球上のあらゆる場所に運ぶ。高砂さんはそんな水の存在に着目し、生きとし生ける者たちの姿を捉えた。
一滴の水が集まって大河となり、時に瀑布として荒々しく威力を見せつける。その水の中には可憐な水草が生え、さまざまな命を育む。そんな生き物たちの仲間であるかのように、クジラが海上に身を躍らせる瞬間や、愛らしいタテゴトアザラシの赤ちゃんが雪の上でまどろむ姿などを写真に収めている。
地球と人は一心同体であり、水を汚すことは自分の身体を汚すことに等しいと高砂さんは記す。地球への愛が詰まった一冊だ。
■高砂淳二『PLANET OF WATER』
A4判変型・112ページ
本体 2,400円(税別)
2019年5月30日発売
日経ナショナル ジオグラフィック社
〈文〉市井康延