DJI JAPAN (ディージェイアイ ジャパン) は、8K撮影機能を搭載したオールラウンドタイプのドローン「Mavic Air 2」を2020年5月21日に発売する。価格はオープンで、DJI公式オンラインストア直販価格は「Mavic Air 2」本体、バッテリー1個、送信機、必要な配線一式を含む「標準パッケージ」が105,600円、標準バージョンに加えてショルダーバッグ、NDフィルター、充電ハブ、バッテリー3個を同梱した「Fly More コンボ」が132,000円 (いずれも税込) 。
■4800万画素の静止画、4K/60fpsの動画撮影が可能
「Mavic Air 2」は持ち運びやすい折りたたみ式のドローンで、 Mavicシリーズで初めて4K動画 (最大60fps / 120Mbps) 撮影を実現するコンシューマーモデル。クアッドベイヤー配列を採用した1/2インチセンサーにより、静止画では48MPの撮影ができ、3軸モーター搭載のジンバルによりカメラブレを補正、スムーズで安定した撮影を行うことができる。
■自動で最適化するスマートフォト機能
HDR動画や4倍・8倍スローモーション (1080p) などの撮影が可能なほか、新機能のスマートフォトでは、高度なシーン分析とディープラーニングを使用して12MPの静止画を記録。HDR写真、ハイパーライト、シーン認識の3つの撮影オプションから最適なものを自動的に選択する。
HDR写真
HDR写真は、露出の異なる7つの写真を自動で撮影し、それらを合成してダイナミックな映像に仕上げる。ハイパーライト
低照度環境での撮影向けに設計されたハイパーライトは、写真を複数カット撮影し、それらを合成してノイズを低減させ、鮮明な画像を作成する。シーン認識
夕焼け / 青空 / 草地 / 雪 / 森林の5つのシーンカテゴリーを認識し、設定を最適化して色彩やディテール、色調を調整し、ポップな写真に仕上げる。
■最大34分の飛行時間を実現
570ｇの軽量ボディに新開発のモーターと電子速度コントローラー (ESC)、強化されたバッテリー技術を搭載し、最大34分の飛行時間を実現する。DJIの独自技術であるOcuSync 2.0伝送技術がアップグレードされており、安定したHD動画の伝送を実現する。
日本国内では最長6kmとなっているが、障害物や電波干渉がなく、FCC準拠の場合、伝送システムの範囲は最長10km。ただし、特に許可されていない限りドローンは常に目視内で飛行させる必要がある。
OcuSync 2.0 は、2.4GHzと5.8GHzの両周波数帯に対応し (日本は2.4GHzのみ対応)、信号強度に応じて周波数を自動で切り替え、干渉防止技術によって望ましくない信号をブロック。ビデオフィードにノイズが入らないようにする。
■障害物を回避
前方と後方に配置された障害物センサーにより、ドローンが障害物に近づくと警告を発する仕様になっている。また、衝突を回避するために、ドローンが障害物に接近しないように設定することも可能。本体下部にはセンサーと補助ライトを配置し、低照度環境におけるスムーズな自動着陸などの機能をアシストするほか、空港などリスクの高い場所にドローンが入らないようにするためのジオフェンスも装備されている。
APAS 3.0
「Mavic Air 2」 のAPAS 3.0 (高度操縦支援システム) を有効にすると、3Dマッピングを使用して障害物を回避し、スムーズで滑らかな飛行をアシストする。進行方向にある障害物の周辺や上下に新たな経路を作成して衝突を回避することが可能で、操縦者は複雑な環境下でも撮影に集中することができる。AirSense
「Mavic Air 2」は、ドローンの操縦者に他の機体が近くにいることを警告して安全性を高めるAirSense技術を搭載したDJI初の一般向けドローンとなっている。AirSenseは、飛行中の航空機やヘリコプターからの信号を受信するADS-Bの航空技術を採用するもので、操作画面にその位置を表示する。ほかの機体がドローンに近づくと、AirSenseによってメッセージや音、振動でドローン操縦者に警告する。
■3つの追尾機能
追跡機能フォーカストラックは、「ActiveTrack 3.0」「Point of Interest 3.0」「Spotlight 2.0」の3つの撮影モードを搭載する。
AActiveTrack 3.0
最新のマッピング技術と新しい飛行経路アルゴリズムにより、被写体を選択すると「Mavic Air 2」が自動的に追跡する。被写体認識や障害物回避の性能が向上しており、一時的に被写体が遮られた場合でも、素早く再捕捉することができる。Point of Interest 3.0
特定の被写体周辺で、自動化された飛行経路を設定する。最新バージョンでは平面認識機能が改善されている。Spotlight 2.0
カメラが被写体を捉え続ける、プロ向けDJIドローンで採用されているスポットライト機能が搭載されている。
■8K対応のハイパーラプス機能
タイムラプスの視覚効果をより魅力的にするハイパーラプス機能を搭載する。フリー / サークル / コースロック / ウェイポイントの4つのフライトモードから選択し、ドローンを物理的に移動させて撮影するもので、最大解像度8Kで撮影することができるようになった。
また、事前にプログラム化された飛行操作から選択することができるクイックショットに対応。クイックショットは、ロケット / サークル / ドローニー / ヘリックス / ブーメラン / アステロイドの中からモードを選択して、映画のようなビデオクリップを自動で作成する。
■アプリで直感的に動画編集
最新バージョンの「DJI Fly アプリ」は、使い勝手のいい航行機能をそのままに、高度な機能を搭載する。簡単操作の編集機能を備え、撮影した映像の編集と調整を一度に行うことが可能。また、チュートリアルを利用してドローンの操作方法を習得することもできる。
■アクセサリー
ショルダーバッグ、NDフィルターセット、プロペラガード、保護ケース、送信機用タブレットホルダー、モニターフードなどの別売りアクセサリーがラインナップされている。
DJI Mavic Air 2 主な仕様
有効画素数 12MP / 48MP
撮像素子 1/2インチ CMOSセンサー
レンズ 焦点距離24mm (35mm判換算)、絞りF2.8、画角84°、最短撮影距離1ｍ
ISO感度 ISO 100〜6400
静止画フォーマット PEG、DNG (RAW)
動画フォーマット MP4、MOV (H.264/MPEG-4 AVC、H.265/HEVC)
記録媒体 microSDカード
サイズ (長さ×幅×高さ) 折りたたみ時 180×97×84mm、展開時 183×253×77mm
重量 570ｇ
〈文〉柴田 誠