コンパクトなフルサイズミラーレスとして人気が高い「SIGMA fp」の高画素モデル「SIGMA fp L」。6100万画素の描写力を、個性的な3本のレンズとの組み合わせで確かめた。
組み合わせたのはこの3本!
今回は「14mm F1.8 DG HSM | Art」「105mm F1.4 DG HSM | Art」「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」と、大型のレンズで撮影。今、こんな個性的なレンズ群を作れるのはシグマくらいだから、今後も期待したい。
【fp L + 105mm】レンズが与えてくれた意図せぬ効果に顔が綻ぶ
晴天の下、チェーン状の柵に反射してる光がキレイだった。「105mm F1.4 DG HSM | Art」で開放で撮った画像をあとから確認すると、玉が規則正しくぼけた不思議で面白い写真に仕上がった。この巨大な105mm F1.4、なかなかやる。
シグマの独自路線がさらに際立ってきた
「SIGMA fp L」は、独特のコンセプトで人気が高かった「SIGMA fp」に有効6100万画素センサーを搭載した高画素モデル。「fp」の特徴的な写りに、画素数が上がったことにより、緻密で精細感のある描写が加わっていて、画像を見ていて飽きない。
速いとは言えなかったAFも、像面位相差AFが搭載されたことでだいぶ速度・正確さともに向上していて、快適に撮れるようになっている。ボタンの形なども改良され、操作性も向上している。
【fp L + 100-400mm】ライトバズーカで印象的な瞬間を狙う
人けの少ないマリーナの道でスケートボードに興じる若者をモノクロで撮影。AFが「fp」よりだいぶ進化していて、ジャンプの瞬間にうまく合わせることができた。細かい設定がしやすいので、例えばトーンカーブを変えるだけで、自然で雰囲気のあるモノクロにできるのが「fp」シリーズの面白いところ。
新カラーモード「パウダーブルー」は今までにない新鮮な色合い
新しいカラーモード「パウダーブルー」はその名のとおり青みがかった新鮮な色合いで好ましい描写。ファームアップで「fp」でも使えるようになるのは、メーカーの良心を感じる。
やっと出た待望の外付けEVFは一度付けたらもう手放せない。切り替えが手動なのは要改善だが、見やすくて使いやすい。また、今回はいずれも大きなレンズだったので、グリップも追加した。シンプルな形を壊してしまうが、こうして必要な機能を加えてカスタマイズするのは面白い。動画にも定評ある「fp」シリーズなので、今回は撮れなかったが動画も期待できるだろう。
【fp L + 14mm】青みがかった爽やかな色合いに仕上がるカラーモード「パウダーブルー」
14mmでマリーナを広めに撮影。シグマの交換レンズはContemporary、Art、Sportsの3ラインに分かれているが、同時に撮るとその意味が納得できる。
待望の外付けEVFで圧倒的に撮影しやすい
夏は液晶モニターが見づらくなる。純正EVFである「ELECTRONIC VIEWFINDER EVF-11」が大活躍してくれた。チルト機能でポジションも取りやすい。
高精細な画質が個性派レンズの性能を引き立たせてくれる
シグマには個性的なレンズが多いが、「fp L」は解像度が上がったことで、そうしたレンズの性能を100%引き出せるカメラになっていると感じた。レンズも含め、ほかのメーカーにはないこの独自路線を、これからもずっと突き進んでほしい。写真にこだわる人に使ってほしいカメラだ。
【fp L + 14mm】手軽に超広角らしい写りが楽しめる
上を見上げて超広角らしい広がりとパースペクティブを生かした写真に。周辺光量落ちもなく優秀なレンズだ。このレンズも大きいがF1.8と明るく、超広角ながらクセがなく普通に使える。これも好きなレンズだ。
〈文・写真〉日野文彦