ミラーレスが隆盛の今、デジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3 Mark III」が注目されている。「K-3 Mark III」を愛用する鹿野貴司さんが、高性能なレンズたちと下町を散策し、その魅力に迫った。
高度な製造技術で性能を極めた光学ファインダーが心地よい
昨年末に開発発表され、今年4月に発売された「PENTAX K-3 Mark III」が売れゆき好調だという。ここ数年、売上でも話題でもミラーレス機に圧倒され続けていた一眼レフが一矢を報いた格好だ。
一眼レフの光学ファインダーには視覚的な心地よさがあるが、「K-3 Mark III」はそこを極めるべく、ペンタプリズムに高屈折率の新しいガラス素材を採用。同社のAPS-C機では約0.95倍だったファインダー倍率を約1.05倍まで引き上げた。のぞいたときの視界の広さはフルサイズの「K-1 Mark II」とほとんど変わらない。
クリアなファインダーで印象的な一瞬を切り取る
EVFはのぞいた瞬間、どうしても肉眼視との違いが気になりがち。一眼レフではそれが少なく、むしろピントを合わせると、ぼけていた像がシャープになっていく様子が心地よい。街角でのスナップはそれが結果にもつながると思う。
コンパクトなサイズ感で描写力も高い
センサーサイズもフルサイズが主流になるなか、APS-Cフォーマットを採用。手によくなじむボディサイズと、秒12コマの連写などの機動性を実現した。約2573万画素裏面照射型センサーの描写力も高く、メリハリのある絵づくりを支えている。
ペンタックスらしい鮮やかでメリハリのある色再現
標準設定のカスタムイメージは「鮮やか」。赤や緑が文字どおり鮮やかに再現されるが、飽和せずにしっかりとディテールが描かれる。各設定とも彩度・色相・キーなど7項目をカスタマイズでき、自分好みのイメージに追い込める。
無骨さが信頼性につながるデザイン
もちろんライブビューは搭載するものの、背面液晶は潔く固定式に。そのぶんファインダーののぞきやすさや、ボタン・ダイヤルの操作性をブラッシュアップさせたという。
多彩なレンズで一眼レフ撮影の楽しさを再発見できる
愛用している「K-3 Mark III」には、いつも「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」を装着しているが、今回は「smc PENTAX-DA★55mmF1.4 SDM」や「HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited」を試してみた。Kマウントはコンパクトさや描写の味を追求した個性派レンズや、ひと昔前のマニュアルレンズなど多種多彩で、それらをすべて装着できるのも「K-3 Mark III」の魅力。とりわけ明るいレンズを装着したときのファインダーは、のぞいているだけで楽しくなってくるはずだ。
小型軽量なリミテッドレンズの魅力をさらに引き出す
APS-Cフォーマット用のリミテッドレンズには、15mmや21mmといったパンケーキタイプの広角レンズがある。薄いだけでなく高い描写性能を誇り、ご覧のように隅々までシャープだ。
アナログっぽさも感じさせる「銀残し」
バリエーション豊かなカスタムイメージ (仕上がり設定) もペンタックスの特徴。彩度と中間調を落とす「銀残し」は被写体を選ぶものの、ハマると印象的な仕上がりが得られる。
個性が魅力的なリミテッドレンズ群
リミテッドレンズといえばフルサイズ対応の“FA三兄弟”が人気だが、APS-CフォーマットのDAも6本をラインナップ。とりわけ左上の「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」はフルサイズ換算で30-60mm相当という絶妙な焦点域をカバーする。