2021年は少しずつ良い方へ変化の兆しが見え始めた1年でした。2022年は久しぶりに楽しい写真ライフを過ごせることを願って、プロ写真家やカメラライターに「2021年に買ってよかったモノ」を一斉調査しました。さあ、どんなアイテムが出てくるかお楽しみに!
A☆50/Akira Igarashiさんの2021ベストバイ「RF600mm F4 L IS USM」
辛い時代を生き抜く決意でRF超望遠単焦点をゲット!
2021年に買ってよかったモノは、もちろん「ロクヨン」。キヤノンのバズーカレンズ「RF600mm F4 L IS USM」だ。スマホでカシャカシャと気軽に写真撮影が可能な時代に、およそ180万円※をレンズのみに出費する。法人に所属しているわけではない完全フリーランス写真家の身としては、このコロナ禍において清水の舞台からカタパルトに乗って射出されるような気分である。
このRFロクヨンなのだが、うっかりフードだけで10万4500円※。同じくRFシステムの超望遠単焦点レンズである「RF600mm F11 IS STM」が買えてしまう価格 (9万6800円※) だ。ちょっとした自動車ばりの価格のレンズだが、購入する時は実にあっさりとしたもの。ネットショップで約100円の液体のりを買うのと同様、ポチッとして終わりだ。
※2021年12月現在のキヤノンオンラインショップ価格。
ヒコーキ写真家にとって、軽さは正義だ
後日、巨大なダンボールに封入されたRFロクヨンが届いたが、レンズケースとしてソフトケースが付属していた。以前、EFのヨンニッパやサンニッパ、200-400mmを購入した時は、ヒットマンがライフルでも入れているんじゃなかと思わせるような大仰な鍵付きハードケースが付属していたが、正直なところこれを使用したことが一度もなかったので、自分的にはこの変更を支持したい。
さっそく、レンズを持ってみたが、まず驚いたのが「軽さ」。約3090gのボディ本体は、EFロクヨンのIII型からはマウントアダプターのぶん約40g重くなっている。しかしEFロクヨンのII型 (約3920g) を使っていた自分としては1kg近く軽くなった最新のロクヨンに感動すらおぼえた。手持ち撮影の機会が少なくないヒコーキ撮影において、これは大いに助かる。また、ロクヨンを担いで山登りをしたり長距離を歩いたりすることも多いので、軽さは正義だ。
もちろん、キヤノンが誇るプロ仕様のフラッグシップレンズだから写りも文句ナシ。ヒコーキ撮影では機体のディテール部分の描写が重視されることも多いので、小さな文字まできっちり描き出すクリアな解像感には大満足だ。AFの合焦速度も爆速。手ブレ補正の効きも申し分ない。キヤノンの望遠レンズでおなじみの白く巨大な外観は、RFシステムになっても健在。目立つことこの上ないので、しっかり撮らねばと身が引き締まる。
私のヒコーキ写真の最近のテーマは、またとない一瞬を切り取る「瞬撮」。高価だがレスポンス抜群のこのRFロクヨンが、私のヒコーキ撮影ライフを2022年以降も長く相棒として支えてくれそうだ。
実写作例1
こうした一瞬を撮影する際の失敗するリスクを極限まで減らした仕様が頼もしい。この価格も保険だと思えば良い……。
実写作例2
単焦点らしい空気感、抜けの良さがお気に入り。小さな文字や打ち込まれた鋲など機体のディテールを詳細に描き出してくれる。