スマートフォンのカメラ機能の役割は大きい。カメラ・写真ファンであっても、その便利さを享受していることだろう。前回はスマートフォンの「カメラ力」に着目した。今回は、高い「カメラ力」を持つスマートフォンを紹介する。
目次
- スマホの「カメラ力」に注目! 写真が撮りたくなる7つの進化ポイントとは?
- 写真ファンにおすすめしたい「カメラ力」の高いスマホ7選
AFがスゴイ! カメラに特化したハイエンドモデル「ソニー Xperia PRO-I」
PRO-Iの「I」は「Imaging」(イメージング) の意。メインのカメラは24mm相当で、像面位相差AF付きの1型センサーを採用。ソニーのコンパクトデジタルカメラ「Cyber-shot RX100 VII」と同等のセンサーだ。なお、記録画素は約6割程度だが、AFカバー率約80%の実現や電子手ブレ補正、処理の高速化 (約20コマ/秒連写) に役立てている。シャッターボタンも搭載している。
ここがポイント!
- 絞りF2とF4を切り替え可能
- 像面位相差AFで一眼譲りの追従性
- 独立したシャッターボタンを搭載
絞りで被写界深度をコントロール
スマートフォンでは絞りがないのが基本だが、「Xperia PRO-I」ではF2とF4の絞りの切り替えができる。絞りで被写界深度をコントロールできるのだ。
F2 |
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動物瞳AFがシャッターチャンスを逃さない
αやCyber-shotの技術を使ったというAFは秀逸。瞳AFが利き追尾し続ける。ペットショップで子ネコに「Xperia PRO-I」を向けると瞳を瞬時に認識した。
カメラライクな操作性が使いやすい
シャッターボタンを長押しすると独自のカメラアプリ「Photography Pro」が起動する。PMSAの露出モードの切り替えだけでなくカメラライクな操作ができる。
処理能力が高く手軽にキレイな写真が撮れる「グーグル Pixel 6 PRO」
16mm、24mm、104mm相当の3つのカメラを搭載。画像処理により精細でクリアに撮れる。なお、メインは5000万画素、望遠は4800万画素のセンサーだが、4画素合成して使うので、約1200万画素での記録になる。望遠カメラなしの「Pixel 6」(74,800円) もオススメ。
ここがポイント!
- 104mm相当の望遠カメラを搭載
- AIによる画像処理でキレイに仕上がる
- 2024年10月までOSアップデートに対応
大型センサー&屈曲光学系を搭載
カメラ部が四角く出っ張っているのが特徴的。一番左の広角24mm相当のカメラは1/1.31型の大型センサー。その右隣が16mm相当。レンズが四角く見えるのが屈曲光学系 (ヘリスコープ) 式の104mm相当の望遠レンズ。
ブレの要素を加えて動きを演出できる
画像処理で、止まっているものをあたかも高速で動いているような写真として撮れるのも楽しい。逆に長秒露光モードだと主要被写体が動いているようになる。
1型センサー&ライカらしい質感が魅力「ライカ LEITZ PHONE 1」
ライカとシャープが共同開発したスマートフォン。とにかく外装の質感がよく、サイドに刻まれたローレット加工のエッジも気持ちがいい。1型センサーで19mm相当のズミクロンレンズを搭載。絵作りはいかにもライカらしいしっとりした雰囲気がある。AFが利きづらいシーンはMFも可能なのでじっくりピント合わせができる。
ここがポイント!
- ライカらしい高品位な外観デザイン
- 2020万画素1型センサーを搭載
- ズーム時のブライトフレーム風表示
美しいローレット加工がライカのこだわり
サイドのエッジ部分のローレット加工が美しくもあり、滑り止めにもなる。この間隔もライカのこだわりだ。
モノクロ専用モードで階調豊かにスナップ
基本的にカメラの画質は「AQUOS R6」とほぼ同じだが、「LEITZ PHONE 1」独自のモノクロ専用「LEITZ LOOKS」モードを搭載。日が沈んだ直後、河川敷の野球のグラウンドを土手の上から見下ろした。空の階調の繋がりが自然に再現され、ハイライト部とシャドー部のコントラストもいい。
24mm相当の画角でカメラが起動される
カメラを起動すると24mm相当 (1倍) のブライトフレーム風の枠が表示され、トリミングされた撮影になる。全画面19mm相当で撮影するには、0.7倍に切り替える必要がありちょっと手間。
ライカカメラを搭載したAQUOSモデル「シャープ AQUOS R6」
ライカカメラを搭載した「AQUOS R6」が「LEITZ PHONE 1」に先行して発売された。LEITZ LOOKSモードがなく、起動画面が「LEITZ PHONE 1」とは異なる。アプリのアップデートのタイミングに差があるが、カメラ性能や画質についてはライカが監修し基本的にはほぼ同じだ。
お買い得で安心の定番スマートフォン「アップル iPhone 13 Pro Max」
望遠と広角、超広角の3つのカメラを搭載した「iPhone 13 Pro Max / 13 Pro」。いずれも手ブレ補正機能付きだ。また、通常の「iPhone 13 / 13 mini」は広角と超広角の2つのカメラを搭載。「iPhone 13 mini」の128GBモデルは86,800円。CPU性能はiPhone 13シリーズ共通。
4つの焦点距離とリアルタイム瞳AFを搭載「ソニー Xperia 1 III」
16mm相当と24mm相当に加え、70mmと105mm相当に切り替えできる可変式望遠レンズを搭載し、リアルタイム瞳AFにも対応。UVC接続により、ほかのカメラの外部モニターとしても使える。本体側面にシャッターボタンも備えた正統派。
28mm相当6400万画素カメラで望遠撮影「サムスン Galaxy S21+ 5G」
13mm、26mm、28mm相当の広角系の3つのカメラを搭載。焦点距離が近いが、28mm相当のカメラは6400万画素で、デジタルズームを利用して望遠撮影を楽しめる。モニターが6.2型でちょっと安い「Galaxy S21 5G」(118,540円) もある。
※参考価格は記事執筆時点の税込価格です。
〈写真・解説〉猪狩友則