こんにちは!カメラ・写真大好き現役レースクイーンの沙倉しずかです!
カメラ歴はもうすぐ4年で、今もそしてこれからも永遠にカメラ勉強中です。
現在、私は昨年に引き続きSUPER GT 300クラス『Arnage Racing』のレースクイーンを務めさせていただいています。
今年も全国各地のサーキットで、レースクイーンのお仕事をしながら、本業の合間やチームスタッフの邪魔にならないようタイミングを見計らって、レースクイーンの立場から見たチームの様子を撮影しています。
機材は、「SONY α7 Ⅲ」に「TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」を使っています。
レースクイーンのコスチュームを着たまま高いヒールで動ける範囲にも限界があるので、コンパクトなこのズームレンズが重宝しています。
ピットには撮りたい瞬間がいっぱい
レースクイーンの持ち場を離れることはできないので、撮影するのはピットやその周辺の写真が多くなるのですが、ピットの中には、予選を終えた後のドライバーさんの安堵の表情、マシンを降りた後の悔しさが滲み出る表情、ドライバー交代のときの緊張感で溢れる空気感、メカニックさんたちの繊細な作業、ドライバーさんが家族に見せる姿、いい順位で終えた後チームスタッフと喜びを分かち合う瞬間などなど、自然とシャッターを押してしまう瞬間に沢山出会えます。
個人的にはドライバー交代のときの、マシンに向かっていく緊張感のあるドライバーさんの後ろ姿が好きです。また、苦手なのはドライバー交代でマシンから降りてきた選手の表情を撮ることです。
勢いよく降りてくるので歩くのが普段の倍くらい速いのです。何度もチャレンジしていますが、だいたいピントが合わずほとんど納得のいく写真を撮れていません(笑)
しかし、レースクイーンがピット内に気軽に入ることができないチームが多い中、もっと前で撮っていいよと言ってくれる寛容なチームで有難い限りです。
こちらの写真はCAPA編集部さんにお借りした広角レンズ「SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN Art」で撮影したものです。こうして、レンズを変えることで表現に変化がつけられるのも、カメラの楽しいところです。
加納政樹選手を直撃取材!
今回はレース写真をレベルアップするヒントを見つけるため、また、読者の方にも参考になればと、撮られる側であるArnage Racingのベテランドライバー加納政樹選手に、レースのどんな写真が好きか、俺の走りのここを撮ってほしいというのはあるかを聞いてみました。
加納選手「自分の走りでここを撮ってほしいとかは、あんまりないんですよ。シャーっと流してマシンの後ろの方が消えかけているとか、あれはああいう技法なんやと思うけど、走っている写真だったら、他とはちょっと違う視点から撮られた写真が好きかな。
例えば、オートポリスのホームストレートを走っているときに、クリスタルルームのガラスに映るマシンを撮った写真だとか、たんぽぽみたいな花にピントが合っていて、向こうの方に走っているマシンがボケているような写真だとか。
こんな和やかなところの向こうではすごく危ない戦いをしながら走っているみたいな、ちょっと間接的な写真が、どちらかというと好きかな」
これは流し撮りをする人にとっては予想外の答えだったのではないでしょうか?
人一倍おしゃれな加納選手ならではだと思いました。皆さんも是非加納選手が唸るような、人とは一味違うマシンの写真を撮って送ってみてくださいね!
Arnage Racingでは、ツイッター上で「愛で姫」企画をやっていて、#愛で姫 または@arnage_racingをつけて、お気に入りの姫(マシン)の写真をツイートしてくれたら、公式ができる限りRTしてくれますよ。
加納選手「ピットの中の写真だったら、臨場感があって中でしか絶対に見ることのできないものを写している写真はすごいなって思う。さぁ今から行くぞっていうドライバー交代のとき、メカニックさんとドライバーがグータッチしていくけど、あの時に“あぁチームみんなでやっているな”って感じるというか。ドライバーだけが戦っているんじゃなくて、みんなで戦ってるんやっていうところ。
和気あいあいのときもあれば、みんな険しい顔をしているときもあって、その喜怒哀楽みたいな中でしか見られない写真が好きかな。
やっぱりヘルメットを被ったら目つきも変わるし、でもその目つきって乗っているときは見えへんでしょ? 動画でも見ることはできるけど、その凄さって一瞬で伝わりにくいなって思うから。
写真だと後で見て、このときこんな気持ちだったなとか思い出すでしょ。そういう部分がいいなぁって思いますね」
ちなみに加納選手的に、私が撮ったレースの写真で気に入ってくれたのは、こちらの写真だそうです。
「普段SNSでいいねとかしないんやけど、これ見たときはすごいなと思って、ほんまの意味でのいいねを押しました」と、嬉しいお言葉をいただきました。
最後に、今年のArnage Racingはマシンも体制も変わりましたがどうですか?と聞いてみました。
(昨年のマシンはメルセデスAMG GT3。今年はトヨタMC86に変更。監督、ドライバー、メインスポンサーと大きな変化がありました)
加納選手「Arnageで10年乗って、いろんなトライもしてきましたけど、今年はArnage Racingにとって変化の年。色々な体制が変わるという状況の中で、マシンはMC86というどちらかというとGT3車両よりも手がかかるクルマだけども、上手くさえ走らせれば速く走るクルマにトライするということは、Arnageの今までやってきたチーム一丸というのも含めて、全員がきちっと持ち場の仕事をしないと、なかなかいい結果に持っていくのは難しいのではないかと。
Arnageとしては新しいトライだけど、今までやってきたことをきちんとやれば結果につなげて行けるんじゃないかなと思う。開幕戦を終えて、戦い方は去年よりもすごく力強いというか、あ、なんかもしかしたらあるんじゃない?みたいなものを感じる」
インタビューを終えて
加納選手にこのインタビューをしたのは5月。
そしてこの記事を書いている8月に開催されたSUPER GT第4戦富士で、Arnage Racingは4年ぶりとなる7位入賞を果たしました。
まさに加納選手の言った通りの状況になっていて、見事に有言実行されています。
今シーズンのレースも半分を終え、この記事が公開される頃には第5戦鈴鹿が始まっているでしょう。Arnage Racingにとって、今年はいいシーズンだったと言えるような1年になってくれることを願っています!
レースクイーンとしてもカメラ女子としても、1戦1戦を大切にしながら最終戦まで頑張りたいと思います!
文・写真/沙倉しずか
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