タムロンは、富士フイルムXマウント対応の超望遠ズームレンズ「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)」を2022年10月13日に発売する。希望小売価格は209,000円 (税込)。
本製品は、富士フイルムXマウント対応レンズを拡充しているタムロンとしては3本目。すでにソニーEマウント対応レンズとして2021年6月に発売済みの「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)」を、富士フイルムXマウント対応に仕上げたもの。
富士フイルムからは、「XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」と「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」の2本の超望遠ズームレンズが発売されており、本製品はカバーする焦点距離域が両レンズの中間、価格は両レンズよりかなり抑えられたものとなっている。
■750mm相当の超望遠撮影能力
本製品は35mm判換算225〜750mm相当の焦点域をカバーしながら、全長は209.9mm、500mmにズームした場合でも全長は約284.9mmに抑えられている。最大径はφ93mmで、重量は約1,710g (三脚座を除く) と、手持ち撮影が可能なサイズに仕上がっている。また、ズームリングの回転角は75°と小さく、素早くズーム操作を行えるほか、フレックスズームロック機構によって任意のズーム位置に固定することもできる。
■特殊硝材を使って高い描写性能を実現
レンズ構成は特殊硝材や非球面レンズを含む16群25枚。高級特殊硝材のXLD (eXtra Low Dispersion) レンズ1枚、LD (Low Dispersion : 異常低分散) レンズ5枚、複合非球面レンズ2枚を使うことで、高い解像力を実現し、同時に軸上色収差をはじめとした諸収差を効果的に抑えている。
本製品は元々、フルサイズミラーレスカメラ用に設計されているため、イメージサークルに余裕があり、画面中央から周辺部まで非常に高画質な描写が得られる点も大きな特徴。さらに、ゴーストやフレアを抑制するBBAR-G2コーティングを採用し、ヌケがよく、クリアな描写を実現している。
<MTF曲線図>
Xマウントではレンズ中央寄りのMTF曲線の優れた部分のみを使用する
■リニアモーターによる高速AF
AFの駆動系にはリニアモーターフォーカス機構「VXD」を採用。高速・高精度で、従来のモーター駆動方式に比べ、振動が発生しにくく、駆動音も静か。静止画はもちろん、動画撮影にも適している。新機能としてMF SPEEDスイッチが設けられた。MF時にフォーカススピードを2段階で選択でき、厳密なピント合わせを行いたいときに効果を発揮する。
■強力な手ブレ補正機構VC
強力なブレ補正効果が得られることで知られるタムロンの手ブレ補正機構「VC」を搭載。3つの補正モード (モード1 : 通常、モード2 : 流し撮り専用、モード3 : フレーミング重視) を選択する切り替えスイッチを設けている。撮影シーンごとに、最適な手ブレ補正モードを選ぶことができる。
■高い近接能力によるテレマクロ撮影
最短撮影距離は、150mm端で0.6m、500mm端で1.8mと、超望遠レンズとしては非常に高い近接撮影能力を持つ。特に150mm端での最大撮影倍率は1:3.1、35mm判換算では1:2.1相当となり、ハーフマクロレンズに匹敵する。一般的なマクロレンズより長い焦点距離 (225mm相当) で、ワーキングディスタンスを取りつつ、高い倍率で花や昆虫の拡大撮影が可能となる。
■防滴用シーリングを施した簡易防滴構造
レンズ鏡筒の可動部や接合部など、主要な箇所に防滴用のシーリングを施した簡易防滴構造を採用。不用意に水がレンズ内部に侵入するリスクを抑えてくれる。付属のレンズフードの先端寄りには保護用ラバーが巻かれ、衝撃やキズが付くのを防いでくれる。
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD 主な仕様
モデル名 A057
マウント 富士フイルムXマウント
焦点距離 150〜500mm (富士フイルムXシリーズ使用時 35mm判換算225〜750mm相当)
開放絞り F5〜6.7
最小絞り F22〜32
画角 (対角) 10°59′〜3°18′ (富士フイルムXシリーズ使用時)
レンズ構成 16群25枚
絞り羽根枚数 7枚 (円形絞り)
最短撮影距離 0.6m (W) / 1.8m (T)
最大撮影倍率 1:3.1 (W) / 1:3.7 (T)
フィルター径 φ82mm
最大径×長さ φ93×209.9mm
質量 レンズ本体 1,710g、三脚座 155g
付属品 丸型フード (ラバー付き)、三脚座、レンズキャップ