カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2023」が、2023年2月23日~26日にリアル会場とオンラインで開催。4年ぶりとなるリアル会場から、注目の新製品や各社のイチオシ、取材スタッフが見つけた注目アイテムを紹介します。
サイトロンジャパン
サイトロンジャパンのブースでは、交換レンズのLAOWA (ラオワ)、KamLan (カムラン)、天体望遠鏡、双眼鏡などの各種光学製品を展示。ここではLAOWAとKamLanなどの新製品、参考出品に絞って紹介したい。
LAOWA
ユニークなコンセプトのレンズを多数展開するLAOWA (ラオワ) は、マクロレンズも非常に個性的。世界初の防水機能付き虫の目レンズ「24mm F14 2X MACRO PROBE」は昆虫などの極小世界を拡大撮影できる。写真はシネマ用の「24mm T14 2x Macro Periprobe」。
ほかに類のないスペックのレンズを生み出すLAOWAの新製品「6mm F2 ZERO-D MTF」。マイクロフォーサーズ用のMFレンズで、フィッシュアイレンズ以外ではもっとも短い6mmという焦点距離を持つ。35mm判換算で12mm相当の画角が得られる超広角レンズだが、製品名に「ZERO-D (ディストーション)」とあるように、歪曲収差を極限まで抑えた、高い光学性能を持つ。
参考出品された「Argus 28mm F1.2 FF」。フルサイズミラーレスカメラ用の広角レンズで、F1.2と非常に明るい開放F値を持つ。大口径でありながらスリムで、重さは約562gと比較的軽い。
この「Argus 28mm F1.2 FF」は電子接点を持たないMFレンズで、ソニーE、キヤノンRF、ニコンZ、Lマウントの4タイプが発売される予定。絞り羽根は13枚で、絞り込んだときの光源に出る点光芒は美しいものになる。発売日、価格は未定。
シネマ用レンズも展開するLAOWAだが、今回、新たに世界最小クラスのアナモフィックレンズ「Nanomorph」シリーズを発表した。2.4:1のシネマスクリーン向けの映像制作に使われるもので、「Nanomorph 27mm T2.8 1.5x Cine」「Nanomorph 35mm T2.4 1.5x Cine」「Nanomorph 50mm T2.4 1.5x Cine」の3つの焦点距離が用意される。対応するマウントはキヤノンRF、ソニーE、ニコンZ、富士フイルムX、Lマウント、マイクロフォーサーズ、DJI DL、キヤノンEF/Arri PLマウントで、受注生産品 (2023年2月23日より受注開始) となっている。
「Nanomorph」シリーズのユニークな点は、アナモフィックレンズ特有のフレアの色調を選べる点。温かみのある暖色系のフレアが出る「Amber (アンバー)」、青いフレアが生じる「Blue (ブルー)」、光源に基づいたフレア色が得られる「Silver (シルバー)」を選択でき、レンズに巻かれたリングの色で、見分けられる。
KamLan
APS-Cサイズ用のMFレンズを中心に展開する台湾発のKamLan (カムラン) からは、「KL 70mm F1.1」が参考出品された。太い鏡筒を持つAPS-Cミラーレスカメラ用の中望遠レンズで、35mm判換算で105mm相当の画角が得られる。マウントはキヤノンEF-M、ソニーE、富士フイルムX、マイクロフォーサーズの4タイプが予定されている。価格、発売時期は未定。
最短撮影距離は約80cm。サイズはφ80×96mmとやや大柄。重さは約776gとなっている。また、「KL 70mm F1.1」のレンズ先端部には、上下方向からの光線をカットするフレアカッターが設けられている。
天体撮影アイテム
Jiaxing Ruixing Optical Instrument社の天体撮影用レンズ「SHARPSTAR Z4」。口径100mm、焦点距離550mm、口径比F5.5、2枚のEDレンズを含む6枚構成で、写真撮影に最適な収差補正を実現した。イメージサークルはφ36mmを確保し、APS-Cサイズまでのセンサーに対応する。2023年2月22日発売。
光害カットフィルターの表面に、ソフト効果が得られる特殊処理をレンズ表面に施した天体撮影用フィルター「スターエンハンサー」。フィルター径は49mmから82mmまでの9サイズが用意されている。2023年4月中旬に発売の予定。