伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2023年8月号 アザーショット【後編】
「カメラグランプリ2023 あなたが選ぶベストカメラ賞」受賞記念で、「パナソニック LUMIX S5II」のキャッシュバックキャンペーンが2023年8月27日まで開催されている。今回は、この絶好のチャンスに「LUMIX S5II」を買ったらプラスαしたいLUMIX純正の超広角ズーム2本をピックアップ。その特徴と描写性能を確かめてみた。後編では「LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO」をチェックする。
伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』の人気連載「レンズパラダイス」。本記事では2023年8月号の「レンズパラダイス」に掲載しきれなかったアザーショットとインプレッションを紹介します。
- LUMIX S PRO 16-35mm F4 実写チェック
- LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO 実写チェック
LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO
[マウント] Lマウント [最大径×長さ] φ84.0×約89.8mm [重さ] 約345g [レンズ構成] 10群14枚 [最短撮影距離] 0.15m [最大撮影倍率] 0.5倍 [絞り羽根枚数] 7枚 [フィルター径] φ77mm
参考価格 97,020円 (税込)
パースペクティブを強調した描写が楽しめる
一眼レフ用の交換レンズで14mmをカバーする超広角ズームは、前玉が大きく突出した出目金レンズで、大きく、重く、高価だが、このズームは実売10万円以下で、77mm径の円形フィルターも装着できる。お手ごろ価格のレンズにもかかわらず、周辺まで安定した描写性能が得られ、14mmならではのパースペクティブを強調した描写を楽しめる。
花壇の中央手前にピントを合わせパンフォーカスで撮影
かなりの超広角に感じるかもしれないが、これで焦点距離はズーム中域の20mm。14mmよりもパースペクティブが強調されにくく、扱いやすい画角だ。F14まで絞って花壇の中央手前あたりにピントを合わせたら、手前から奥の風車までほぼパンフォーカスで撮影できた。
ゴーストやフレアはなくパーブルフリンジも出ていない
田無神社の「七夕てるてるトンネル」。トンネルの隙間から西日がレンズに直撃しているが、ゴーストやフレアはなく、輝度差が非常に大きい境界部分にパープルフリンジは出ていない。てるてる坊主の布目が驚くほどくっきり再現されていて、後方のボケも柔らかく自然だ。
超広角レンズとは思えないほど自然で柔らかなボケ味
同じく田無神社のこま犬をワイド端で撮影。パースペクティブが強調されやすいレンズなので、カメラを水平に構え、垂直の線が傾かないように撮影することで、超広角のデフォルメ感を弱めることができる。ただ、これだけ広い範囲を背景として写せるのは14mmならでは。背景のボケは超広角ズームとは思えないほど自然で柔らかだ。
テレ端で0.5倍のハーフマクロ撮影ができる
このレンズは、製品名にMACROが入っているだけあって、最短撮影距離がズーム全域で15cmと短く、テレ端28mmで最大撮影倍率は0.5倍のハーフマクロ撮影が行なえる。このカットは、最短撮影距離手前まで徐々に近づきながらキンシバイの花を撮影したもの。近接撮影ではできるだけ画面中央付近に主要被写体を配したほうがシャープな描写が期待できる。
本記事で紹介していない実写作例と詳しい解説は『CAPA』2023年8月号でご覧ください。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。