ニュース

究極の動体撮影力! 世界初・グローバルシャッター方式のフルサイズミラーレス「ソニー α9 III」

ソニーは、フルサイズミラーレスカメラ「α9 III」を2024年1月26日に発売することを発表した。価格はオープン。市場推定価格は約880,000円 (税込)。日本での予約開始は、2023年11月16日10時より。

α9 III
FE 35mm F1.4 GM (別売) 装着例

 

「α9 III」は、2019年11月1日に発売された「α9 II」の後継機種。世界初となるグローバルシャッター方式のフルサイズセンサーを搭載。静止画・動画におけるローリングシャッター歪みの発生を抑えて、メカシャッターを不要とした。「α9 III」は、優れた動体撮影能力を持ち、決定的瞬間を捉えることができる新たなフラッグシップモデルとして位置づけられる

α9 III
FE 24-70mm F2.8 GM II (別売) 装着例

■世界初のグローバルシャッター方式CMOSセンサー

新開発の有効約2460万画素メモリー内蔵フルサイズ積層型CMOSイメージセンサー Exmor RSを搭載。グローバルシャッター方式の採用と最新の画像処理エンジン BIONZ XRの高い処理能力により、最高約120コマ/秒の超高速連写を実現。AF/AEが追従した状態で、ブラックアウトフリーの連続撮影が可能となっている。

α9 III
新開発のメモリー内蔵積層型CMOSセンサー Exmor RSを搭載

 

従来の電子シャッター (ローリングシャッター方式) では、動く被写体を撮影すると歪んで写ることがあったが、「α9 III」のグローバルシャッター方式では、全画素を同時に露光して信号を読み出すため、高速で動く被写体でも動体の歪みがなく、見たままに撮影できる。

α9 III
全画素の信号を同時に読み出すグローバルシャッター方式

 

メカシャッターレス構造を採用し、1コマ撮影時に最高1/80000秒、連続撮影時は1/16000秒のシャッタースピードで撮影が可能。また、対応するソニー製フラッシュ使用時には、1/80000秒まで全速度でフラッシュを同調して撮影することが可能となった。

■リアルタイム認識AFと最高約120コマ/秒の高速連写

AIプロセッシングユニットを搭載し、「リアルタイム認識AF」により、人物だけでなく、動物や乗り物などの被写体に対して高精度で捉えることが可能。コンティニュアスAF使用時にも、被写体の動きを捉え続けながら、最高約120コマ/秒で連続撮影を行う。

α9 III

 

決定的瞬間を撮るためのサポート機能として、「プリ撮影機能」を搭載。シャッターを切る直前を最高1秒まで遡って撮影できる。さらに、狙った瞬間、連写速度をアップさせる「連写速度ブースト」を新たに採用。カスタムボタンにこの機能を割り当てており、連写中にカスタムボタンを押している間だけ、連写速度を速めることで、シャッターチャンスを逃さないようにする。

α9 III

■動画撮影でも歪みなし

ローリングシャッター歪みは、静止画撮影時だけでなく、動画撮影時にも映像に大きな影響を与える。グローバルシャッター方式のカメラで高速で移動する車内から撮影したり、羽ばたく野鳥の姿を撮ったりした場合、被写体が歪んで写ることがあった。しかし、グローバルシャッター方式の「α9 III」では、上述のようなシーンでも歪みのない、自然な動画を撮ることができる。

α9 III
FE 24mm F1.4 GM (別売) 装着例

センサーから信号を高速で読み出すことができる本製品では、αシリーズでは初めて4K/120pの高解像ハイフレームレートの映像をクロップなしで撮影できるようになった。また、6Kオーバーサンプリングにより高解像4K動画撮影も可能。

■グリップ形状の改善と4軸マルチアングル液晶モニター

スポーツや野生動物の撮影など、望遠レンズ装着時や長時間での撮影でも、カメラマンの負担にならないよう、手のひらで包み込むように握ることができるグリップ形状へと改良されている。

α9 III

 

EVFは、約944万ドットの有機ELを使用した高精細タイプで、ファインダー倍率は約0.9倍と高い視認性を実現している。背面には、3.2型のタッチパネル式4軸マルチアングル液晶モニターを搭載。チルト式とバリアングル式の両方の利点を併せ持ち、優れた操作性を追求した。

α9 III

なお、ボディは各部にシーリングが施された防塵・防滴に配慮した設計が行われている。

■プロユースを考えた高速ワークフローと拡張性

撮影後の画像選択を効率よく行える再生時用のファンクションメニューを採用。この機能を使うことで、画像再生中にプロテクトやスマホ転送、FTP転送などを行える。カメラ背面にはマイクを内蔵し、クリアに音声を記録。この音声データは画像とともにFTP転送に対応する。

画像納品ワークフローを高速化するプロ向けのモバイルアプリ「Transfer & Tagging」や有線LANを使ったPCリモート撮影を行うアプリ「Remote Camera Tool」も使用可能。2024年春には、リモートでのカメラ操作と撮影設定の変更が可能なソフトウェア開発キット「Camera Remote SDK」の新バージョンに対応することも予定されている。

α9 III のホールド性を高める「縦位置グリップ VG-C5」

「α9 III」の横位置撮影時と同様の操作性とホールド性を実現した専用の縦位置グリップ。シャッターボタン、電子ダイヤル類、マルチセレクターに加え、正面側にカスタムボタン (C5)も備えている。

VG-C5

 

高容量のZシリーズバッテリー2個を装着可能。カメラ本体と同等の防塵・防滴に配慮した設計となっている。希望小売価格は55,000円 (税込)。

α9 III + VG-C5
α9 III 装着時
α9 III + VG-C5
縦位置撮影時のイメージ

SONY α9 III 主な仕様

型名 ILCE-9M3
有効画素数 約2460万画素
撮像素子 メモリー内蔵フルサイズ積層型 Exmor RS CMOSセンサー
マウント ソニーEマウント
ISO感度 ISO 250〜25600 (拡張 ISO 125相当〜51200相当)
シャッター速度 1/80000〜30秒 (電子シャッター)
連続撮影速度 最高約120コマ/秒
ファインダー 0.64型 約944万ドット 有機ELビューファインダー (倍率 約0.9倍)
画像モニター 3.2型 約210万ドット 4軸マルチアングル式TFT液晶モニター (タッチパネル)
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-II対応)、CFexpress Type Aカード (ダブルスロット)
サイズ (幅×高さ×奥行) 約136.1×96.9×82.9mm
質量 約618g (本体のみ)、約703g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 リチャージャブルバッテリーパック NP-FZ100、バッテリーチャージャー BC-QZ1、電源コード、ケーブルプロテクター、ショルダーストラップ、ボディキャップ、アクセサリーシューキャップ、アイピースカップ