伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2024年8月号 アザーショット【後編】
ズーム比を抑えることでF2.8ズームとしては大幅な小型軽量化を実現したソニー「FE 16-25mm F2.8 G」と「FE 24-50mm F2.8 G」。ズームテレ端でレンズ長が最短となり、この状態で並べるとまるで瓜二つ。携帯性と機動力を最大限に生かすことができ、高画素機でも耐えうる解像性能を備えているかを、6100万画素の「α7CR」でチェックした。
後編では「FE 24-50mm F2.8 G」の描写力を実写作例で検証する。
伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』の人気連載「レンズパラダイス」。本記事では2024年8月号の「レンズパラダイス」に掲載しきれなかったアザーショットとインプレッションを紹介します。
- FE 16-25mm F2.8 G 実写チェック
- FE 24-50mm F2.8 G 実写チェック
ソニー FE 24-50mm F2.8 G
[マウント] ソニーEマウント [最大径×長さ] φ74.8×92.3mm [重さ] 約440g [レンズ構成] 13群16枚 [最短撮影距離] AF時 0.19m (W) 〜0.30m (テレ時)、MF時 0.18m (W) 〜0.29m (T) [最大撮影倍率] AF時 0.30倍、MF時 0.33倍 [絞り羽根枚数] 11枚 [フィルター径] φ67mm
参考価格 180,400円 (税込)
ピント面はシャープで大きなボケ描写が楽しめる
一般的な標準ズームに比べ、テレ端の焦点距離は50mmと画角の変化は乏しいが、開放F2.8と明るいので、撮影距離がある程度近ければピント面のシャープさと、フルサイズならではの大きなボケを楽しめる。微ボケがうるさくなるケースもあるので、主被写体と距離を離して大きくぼかすのがポイントだ。
コントラストが強い前景や背景ではボケが崩れるケースも
小型軽量にもかかわらず、絞り開放から解像とコントラストが高いが、そのぶんコントラストの強い前景や背景は、輪郭が中途半端にぼけてうるさくなりやすい。特に周辺部は口径食やコマ収差等の影響でボケの形が崩れてしまうので、少し絞って撮影したほうがうるさい微ボケが出にくくなる。
船体のテクスチャーまでシャープに描写
横浜・山下公園の氷川丸。船体に奥行きがあるのでF4で撮影したが、6100万画素の「α7CR」のピクセル等倍でもまったく甘さを感じない高精細な描写で、船体の細かなテクスチャーまで再現されている。周辺解像も安定していて像の乱れはないが、遠景まで被写界深度内に入れるにはF5.6~8くらいまで絞りたい。
画面周辺部の点光源も安定した解像
お台場の暮景。手前のツリーとレインボーブリッジの両方を被写界深度に入れるためF3.5まで絞っているが、手前のツリーや周辺のビルの光源に色にじみはない。点光源の形が大きく崩れることもなく、エッジ立つほどキリキリではないものの、安定した解像が得られている。
ボケは柔らかく色付きも見られない
蔵前のグルメバーガーをテレ端絞り開放でパチリ。最短撮影距離はワイド端で19cmと思いっきり寄れるのに対し、テレ端は30cmと並。ワイド、テレを問わず、近接撮影時のボケは非常に柔らかくクリーミーで、軸上色収差による色付きも目立たないので、被写体本来の色でスッキリとぼけてくれる。
本記事で紹介した以外の実写作例と詳しい解説は『CAPA』2024年8月号でご覧ください。
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。