高精度なAF、素早い連続撮影、高画質。全ての面で高性能を備えた「ライカSL3-P」。この最新鋭モデルを手に、スポーツフォトグラファー・中村博之さんが水泳の世界的大会を熱写した。撮れたての写真作品とともに撮影の感触を語っていただく。

高画質で水の質感が引き出せました
背泳ぎ競技の1シーン。逆光の条件を生かして、選手の腕から跳ね上がる水しぶきの美しさを狙ってみました。「ライカSL3-P」の画質はシャープで、かつナチュラル。プールの深みのある青の再現や、水しぶきの質感まで、実にしっかりと描き出せました。また被写体の捕捉には「ゾーンAF」が威力を発揮してくれました。
※写真はいずれもパンパシフィック水泳選手権2026にて撮影。

ライカSL3-P
ハイスペックを装備して登場したライカSLシリーズの最新モデル。4400万画素CMOSセンサーを搭載し、最大14段のダイナミックレンジを実現。819点の位相差AF測距点と315点コントラストAF測距点によるハイブリッドAFを搭載し、人や動物、車の被写体認識AFが可能。さらには最大40コマ/秒の高速連続撮影性能を備えており、高画質と動体対応力を兼ね備えた革新的なフルサイズミラーレスカメラだ。
ライカSL3-Pの「対応力」
「ゾーンAF」の使用で動体に柔軟な対応が可能。躍動的なシーンが写せました。

ハイブリッドオートフォーカスシステム〈ゾーン〉で撮影
背泳ぎ競技で選手が顔まで水中に浸かった姿を撮影し、顔が「スライム」のように見える瞬間を捉えました。この狙い方はAFにとっては少し難しい条件ですが、「ライカSL3-P」の「ゾーンAF」は選手の顔からスイミングキャップのあたりに的確にピントを合わせてくれました。
競泳シーンを粘り強く合わせられたAF機能
今回私は、8月中旬にアメリカで開催されたパンパシフィック水泳選手権2026に、最新の「ライカSL3-P」を持ち込んでトップ選手たちの競泳シーンを撮影してみました。「ライカのミラーレスカメラでスポーツを撮る」ということで、カメラがどのくらい動きを捉えてくれるのか未知数の部分が多かったです。しかし結果としては、ダイナミックで見ごたえのあるカットを数多く撮ることができました。


約40コマ/秒連写で撮影
最高速の連続撮影、約40コマ/秒で撮影してみました。競泳のスタートで一斉に飛び込む選手たちの瞬間瞬間が細かい刻みで記録できています。この高速連写中、ピントをしっかり追従できていた点が評価したいポイントです。
動きに対応するAFシステム
AF測距方式には「フレーム」「ゾーン」「トラッキング」の3種類があり、なかでも「ゾーン」が好感触。選手を設定したゾーン内に収めることで、高い確率で狙った選手へしっかりピントを合わせられました。約40コマ/秒の高速連写も可能ですが、この性能も「ゾーン」での高いAF追従性能があればこそ生きてきます。左右に激しく動く選手を連写で追い写すとき、EVFの表示が若干遅れることがありましたが、実際に撮影されたカットは選手に的確に合焦していて、躍動的なシーンがしっかり記録されていました。

ライカSL3-Pの「表現力」
これぞ写真という美しい再現。撮影者の期待に応えてくれる表現力が大きな魅力です。

最大14Stopの広ダイナミックレンジで描写
競泳自由形で力泳する選手たちを真横から写したカットです。日差しが降り注ぐ外プールならではの光の明暗差をうまく捉え、色鮮やかで印象的な1枚にできました。素直で明快な色再現、暗部からハイライトまで表現できるダイナミックレンジの広さが生きています。
約4400万画素フルサイズの表現力
画質に関しては、今回使用した望遠と標準の2本のライカズームレンズの描写性能とも相まって、さすがライカだなと感心しました。特にオートホワイトバランスがとても安定していて、選手の肌の色や質感、空やプールの鮮やかな青の色など、自分がイメージしていた色彩でしっかり再現できます。
キーワードとしてはやはり「質感」ですね。激しく飛ぶ水しぶきからヌメッとした表情の水まで、それぞれの印象を思いどおりに描き出せました。4400万画素の十分な精細さやダイナミックレンジの広さもあって、屋外のプールを鮮やかに力強く捉えた描写も魅力的でした。

ISO6400で撮影
日が暮れてきて人工照明下で撮影した勝利シーン。ISO6400という高感度設定ですが、発色の良さは特筆もの。ノイズ感の少なさシャープさとも相まって、さすがの高画質を実感できました。

撮るモチベーションを上げてくれるカメラ
ライカは若い頃から「カッコいいな」「じっくり使ってみたいな」と思ってきた存在。実際、今回「VARIO-ELMARIT SL f/2.8/28-70 ASPH.」を付けて撮ってみたとき、ファインダー像をのぞいただけで、いい感触があったんです。「いいのが撮れそう!」という感じ。「ライカSL3-P」は撮るというプロセスで気持ちを上げてくれるカメラ。撮影そのものが楽しいカメラでした。
今回は競技シーンが主でしたが、余裕があれば街のスナップなども撮ってみたかったです。そのくらい撮るのが楽しいカメラでしたね。

- 中村博之 (Hiroyuki Nakamura)
- 1977年、福岡県生まれ。1999年、スポーツフォトエージェンシー「フォート・キシモト」に入社し、2011年からフリーランスとして活動。初めてのオリンピック取材は2000年のシドニー大会。夏季・冬季合わせて12大会を取材。2015年から世界水泳連盟のオフィシャルフォトグラファー担当。日本スポーツプレス協会 (AJPS)、国際スポーツプレス協会 (AIPS) 会員。
〈協力〉ライカカメラジャパン株式会社