2026年6月26日に発売された「ライカSL3-P」。ライカSLシステム史上、もっとも完成度が高いと称されるこのフルサイズミラーレスカメラの注目ポイントを、開発を担当したプロダクトマネージャーのゲリット・ギッセル (Gerrit Gissel) さんにうかがった。

「ライカSL3」「ライカSL3-S」との棲み分けは?
── ライカSLシステムの中の「ライカSL3-P」の位置付けを教えてください。
価格的には1,100,000円で、「ライカSL3」(2024年3月発売 1,276,000円) と「ライカSL3-S」(2025年1月発売 946,000円) の中間に位置する機種になります。パフォーマンスとしては連写速度やAF性能がアップしており、有効4490万画素と高画素なので、撮影を楽しむ上ではもっともバランスのいい機種に仕上がっていると思います。
※価格はライカオンラインストアの税込価格 (2026年7月現在)。
ご覧になってわかるように、ロゴの色やレッドドット (赤バッジ) の有無、シャッターボタンの色など、機種によってデザインが少しずつ異なっていますが、ボディサイズやカラー、材質などは踏襲しています。

── どんなユーザーを想定して開発されたカメラなのでしょうか?
ターゲットとしているユーザーを一言で言い表すと、静止画も動画も両方撮る人ということになります。しっかり作品を作る人から高画質にこだわる人まで、幅広い層に対応できるカメラだと考えています。
「ライカSL3」は有効6030万画素の高解像度モデルで、「ライカSL3-S」は画素数を有効2400万画素に抑えて動画性能を向上させたモデルです。「ライカSL3-P」が加わることで、使い方で選んでもらえるようにラインアップを充実させました。

「ライカSL3-P」進化のキモは?
── 「ライカSL3-P」に採用された新型センサーの特徴を教えてください。
一般的なイメージセンサーは低感度側が一番画質が良く、感度を上げていくに従って画質が下がっていく傾向がありますが、「ライカSL3-P」に採用した新型センサーは、ISO100時だけでなくISO400時でもう一度クオリティが高くなるデュアルピークという特性があります。ISO400辺りでもう一回画質のピークがあるので、最大14ストップという広ダイナミックレンジを確保しつつ、感度的にも高い性能が得られると言えるでしょう。
また、画像処理エンジンは「ライカSL3」「ライカSL3-S」と同じLEICA MAESTRO IV (ライカ・マエストロ・フォー) を搭載していますが、有効4490万画素の高画素でありながら高速読み出し、高速AFを実現しています。被写体の追従性能も向上し、最大8Kの3:2オープンゲート動画撮影にも対応しました。

── 新しいハイブリッドオートフォーカスシステムついても教えてください。
「ライカSL3-P」のAFは像面位相差検出方式とコントラスト検出方式、さらに深度マップ測定と、3つのフォーカスシステムを組み合わせたハイブリッドAFになっています。819点の像面位相差AFセンサーが撮像エリアに配置されており、AIによって強化されたアルゴリズムを採用しています。
深度マップ測定とは「このボケ方だと、このレンズの特性から見て手前か奥のどちらに動かしたらピントが合うのか」というマップを、ピント合わせに利用するものです。このマップはレンズそれぞれが持っており、レンズを装着することで情報がカメラに送られ、より高速で正確なピント合わせができるようになります。

── 新機能が満載のカメラですね。発売直後ですけれど、どんな評判なんでしょうか。
「ライカSL3-P」は、ライカSLシステム3機種の中で、もっともいい売れ行きを示しています。バランスの良さに加えて、高速AFや高速読み出しといった機能が高く評価されているようです。
「ライカSL3-P」のローンチイベントを、ドイツで開催された「ニュルブルクリンク24時間レース」の会場で行いましたが、「ライカSL3-P」はモータースポーツのシーンでもその真価を発揮してくれました。モータースポーツ写真家のカッロ・アルバネーゼ (Callo Albanese) さんがサーキットで撮影した作品を、「ライカSL3-P」の製品サイトで公開しています。そちらも見て「ライカSL3-P」の実力を感じてもらえたらと思います。
── ありがとうございました。

2026年9月17日発売予定の『CAPA』11月号には、さらに詳しいインタビュー記事を掲載予定です。