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キヤノン EOS Kissシリーズのミラーレス「EOS Kiss M」や自動バウンスストロボなど、発表会場から写真でレポート

キヤノンは2018年2月26日に東京・品川で新製品発表会を行った。この発表会では、ミラーレスカメラで初めて「Kiss」の名を冠した「EOS Kiss M」を発表。位置付けとしてはEOS M5の下位機種ながら、AF測距点など一部のスペックは上位機種を凌駕。ボタン類を右手側に集中配置するなど、初心者でも使いやすい完成度の高いモデルとなっている。

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このほか、一眼レフのエントリーモデル「EOS Kiss X90」、バウンス撮影を自動化したクリップオンストロボの「スピードライト 470EX-AI」、人気のEOS M100のカラバリモデル「EOS M100・リミテッドピンクキット」も発表された。

 

ファミリー向けの EOS Kiss シリーズから、手軽に持ち歩けるミラーレス「EOS Kiss M」が登場

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EOS Kissシリーズは、1998年発売のフィルムカメラ「EOS Kiss」から25周年を迎え、ついにミラーレス一眼にもこの名前が採用された。EOS Kiss Mを実際に手にすると、その機能や性能からは考えられない小ささ・軽さに驚く。“入門機でも高性能” な点はまさにKissシリーズだ。

発売は3月下旬の予定で、オープン価格。キヤノンオンラインショップ直販価格は、ボディ単体が73,500円で、EF-M15-45 IS STMレンズキットが88,500円。このほかダブルズームキット(111,500円)、ダブルレンズキット(104,500円)、EF-M18-150 IS STMレンズキット(122,500円)も用意される(価格はいずれも税別)。

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EOS Kiss Mは、新・映像エンジンの「DIGIC8」採用により、デユアルピクセルCMOS AFが進化し、最大99点の測距点で高速かつ高精度なAFが可能だ。加えて、対応レンズ使用時には最大143点の測距離点に拡大。画面の約100%×88%をカバーする。さらに連写も高速で、AE/AF追従で最高約7.4コマ/秒、AF固定で最高約10コマ/秒。画素数は約2410万画素で動画も4K/24p撮影に対応している。ボディカラーは、ホワイトとブラックの2色。

 

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EOS M5ではボディ背面から見て左側に配されていた撮影モードダイヤルが右手側に配置された。これにより、ほとんどの操作を右手のみで行えるようになり、初心者でも扱いやすくなった。一眼レフでも最近のKissシリーズは同コンセプトのレイアウトを採用しており、この点でもKissの伝統を受け継いでいる。

 

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EOS Kissのロゴは左手側の上面に配置。そのためか、ボディを正面から見るとシンプルなデザインに感じられる。

 

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背面モニターは3型約104万ドットでバリアングル式を採用。タッチ操作に対応しており、タッチシャッターも可能。設定操作なども素早く行える。

 

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EVFはM5同様の236万ドット。高精細でクリアな視野が得られる。

 

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Wi-FiやBluetoothが採用され、スマホなどとの連携ができ、NFC対応により素早い接続が可能。省電力なBluetoothでスマホとの常時接続が行え、画像や動画の転送やリモートライブビュー時には、Wi-Fi接続に自動で切り替わって高速なデータ転送が行われる。Wi-Fi接続時には、撮影と並行して画像転送が行われる「撮影時スマホ自動転送」機能が新たに追加された。

 

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本機は、ミラーレスカメラならではといえる、電子シャッターを使用の「サイレントモード」を搭載。わずかな音でも気を使うようなシーンでも無音で撮影できる。

 

解像力がアップした一眼レフカメラのエントリーモデル「EOS Kiss X90」

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EOS Kiss M5同様、3月下旬に発売が予定されている「EOS Kiss X90」。画素数がEOS Kiss X80の約1800万画素から約2410万画素にアップ。エントリー機ながら、上位機種同様の高い解像力が得られる。価格はオープン価格。キヤノンオンラインショップ直販価格は、ボディ単体が54,500円でレンズキットが63,500円となる(いずれも税別)。

ピンクの「EOS M100」にアクセサリーがセットになったリミテッドピンクキット

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人気のEOS M100に新色のピンクが登場。数量限定1000台でボディのほか、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM、オリジナルストラップ&レンズキャップケースを組み合わせたリミテッドピンクキットのみの販売となる。発売は4月上旬予定で、オープン価格。キヤノンオンラインショップ直販価格は69,500円(税別)。

 

画期的な自動バウンス機能を搭載したストロボ「スピードライト 470EX-AI」

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自動化されたバウンス機能が注目の「スピードライト 470EX-AI」。バウンス機構部にモーターが組み込まれたほか、ストロボ本体にメインとサブの2つのCPUが搭載され、ストロボの照射位置を気にすることなくバウンス撮影が行える。発売は4月下旬の予定で、希望小売価格は54,800円(税別)。

 

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470EX-AIの操作パネル。上部にある「AI.B」スイッチで自動でのバウンス撮影機能のオン・オフが設定できる。「0°」にするとバウンスなし、「S(セミオート)」にすると手動で設定したバウンス角を470EX-AIが記憶し、シャッターボタンを2回半押しすることで撮影位置を縦や横、斜めにしても同じ角度を保ってストロボ光が照射される。「F(フルオート)」では、「AI.B」ボタン(あるいはボディのプレビューボタン)を押すことで、自動で正面と上面にプリ発光を行い、壁や被写体までの距離を測定。最適なバウンス角を計算し、その角度に自動設定される。

 

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可動部側面に配置された「アングルセット」ボタン。セミオート時に手動でバウンス角を決める際、このボタンを押すことでバウンス角を記憶させることができる。

動画で動きを見てほしい!

 

こちらは、470EX-AIで実際に撮影した比較作例。ストロボ光なしだと顔に強い影ができて暗く、直接発光では、光が強く肌にテカリが出ている。バウンス発光することで、強い影が出にくく、肌にテカリが出ることもない。この写真はフルオートで撮影したが、自動でトップバウンスとなり、画面全体を適度な明るさで写せた。


左:ストロボ光なし 右:直接発光

 

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バウンス発光

 

 

〈写真・文〉河野弘道