ニュース

日本からも291名・2111作品の応募があった!「ZEISS フォトグラフィーアワード 2018」受賞作品が決定

カールツァイスは、今年で3年目となる「ZEISS フォトグラフィーアワード 2018」をベルギーの写真家・Nick Hannesさんの作品『Garden of Delight(悦楽の庭)』が受賞したことを発表した。

(C)Nick Hannes, Belgium, Winner, 2018, ZEISS Photography Award
『Garden of Delight(悦楽の庭)』より
© Nick Hannes, Belgium, Winner, 2018, ZEISS Photography Award

 

90,000点を超える応募作品の中から選ばれたこの作品は、現在のドバイ市民の娯楽や大量消費社会を独自の感覚で切り取ったもの。海中別荘のモデルルームや、ショッピングモール内の氷点下バーでくつろぐ人々など、2016〜2017年にわたって撮影された写真で構成され、極めて現代的な題材で、見る者を惹きつけながらユーモアを交えた視点で捉えたものとなっている。

 

3回目を迎えた今回の「ZEISS フォトグラフィーアワード」には、140か国以上からの応募があり、なかでもアジアからの応募が急増。前年比約18倍の応募者数となった日本(前年16名→今年291名)をはじめ、中国(前年134名→今年734名)や韓国(前年13名→今年82名)なども前年比5~6倍と大幅に応募が増えた。

今回の審査は、Chris Hudsonさん(イギリス『ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー』アートディレクター)、Peter Bas Mensinkさん(オランダ『GUP Magazine』発行人兼編集長)、Patricia Morvanさん(フランス AgenceVU カルチュラル・プロジェクト&作品展担当)の3名で行われた。

審査員の1人である Chris Hudsonさんは
「受賞作品は現代社会のリアルな一面を捉え、一枚一枚がそれぞれのストーリーを持っている。そしてこれらの作品が組写真となったときに、ドバイという大都会に住む人々の生活感覚をより多面的に理解することができる」
と語っている。

 

(C)Nick Hannes, Belgium, Winner, 2018, ZEISS Photography Award
『Garden of Delight(悦楽の庭)』より
© Nick Hannes, Belgium, Winner, 2018, ZEISS Photography Award

 

受賞したHannesさんは
「受賞できたことを大変感謝しています。『Garden of Delight(悦楽の庭)』は私の個人的なプロジェクトだったので、完成させることができて良かったと思います。今回の受賞により、自分の作品テーマを諦めずに掘り下げ続けることには価値がある、ということが証明できたと思います」
とコメントを寄せている。

Hannesさんには「ZEISS フォトグラフィーアワード 2018」の受賞賞品として、12,000ユーロ相当のツァイスレンズと撮影旅行の旅費3,000ユーロが授与されるほか、今後カールツァイスや、このアワードを共同で運営している World Photography Organisation とのプロジェクトの機会が与えられる。

 

Hannesさんとフィナリスト9名の作品は、「2018 ソニー・ワールドフォトグラフィーアワード作品展」の一環として、2018年5月6日までロンドンのサマセット・ハウスで展示。「ZEISS フォトグラフィーアワード」オフィシャルサイトでも紹介されている。

 

〈文〉柴田 誠