2018年5月3日(木)〜6日(日)に北京で開催された中国最大のカメラショー「China P&E」。21回目となる「2018 China P&E」(第21届中国国際照相机械影像器材与技術博覧会)だが、年々出展社数が減り、ピークの2006年には210社以上あった出展社数も今回は130社ほどになっている(来場者数は公表されていない)。
今年は会場がナショナルコンベンションセンターから北京展覧館に変わるなど、大きな変化がみられた。会場の様子はいったいどう変わったのか、その様子を写真でレポートしよう。
会場の北京展覧館はまるで宮殿のような建物。週末は家族連れやカップルの来場者が多く、女性の姿も目立っていた。
出展しているカメラメーカーは、キヤノン、ニコン、ソニー、富士フイルム、ハッセルブラッドの5社。エプソンは大判プリンターの展示がメインだった。
China P&Eの入場は無料。登録所でQRコードをスキャンしSNSを使って登録するのがいかにも中国らしい。入り口を入るとすぐにドローンメーカーのDJIとストロボメーカーGODOXのブースがある。1階にあるいくつものホールが会場になっていて、全体を見渡すことはできない。
ニコン
左手のホールはニコン館。
ニコンファンの熱気にあふれているニコン館。CP+のニコンブースほどの広さで、中央に設けられたステージではモデル撮影が行われていた。
ソニー
中央ホールの奥に設けられたソニーブース。周りにはストロボや三脚、フィルターなどの中国、韓国系のブースがある。
ソニーブースはαシリーズのカメラやレンズのタッチ&トライがメインとなっていた。
キヤノン
左手のホールでは、キヤノンブースが中央奥にもっとも大きなスペースをとって設けられていた。ブースのつくりはCP+に似ている。タッチ&トライコーナーがブースのメインで、小さなステージが設けられている。
キヤノンは、ニューコンセプトモデルとして開発中の製品を参考展示。パネルには「インテリジェントコンパクトカメラ」とある。新製品が少なかった今回のChina P&Eでは、貴重な新登場アイテムだ。
ゴルフボール程度の大きさで、カメラのホットシューに装着したり、ネックストラップでネックレスのような使い方が紹介されていた。スティックにもなるミニ三脚との組み合わせも紹介されていて、アクセサリーもいろいろ登場してきそうだ。機能や性能の詳しい説明はなかったが、スマートフォンと連携して自撮りやモニターカメラとして使うことができるようだ。
こちらもインテリジェントコンパクトカメラのコーナーに展示されていた。デザインコンセプトのバリエーションだろうか。秋にドイツで開催されるフォトキナでは、もう少し具体的な仕様が見えてくるのを期待したい。
富士フイルム
右手のホールにある富士フイルムブースは、中央にボクシングのリングを設けて撮影体験を行なっていた。
ブースの壁面では、富士フイルムフォトコンテストや世界中のXフォトグラファーズなどが紹介されていた。
ハッセルブラッド
黒を基調にしたハッセルブラッドのブース。シンプルな作りのブースが多い中、高級感のある雰囲気で異彩を放っていた。タッチ&トライコーナーでは、中判ミラーレスカメラ「X1D」が多くの来場者の注目を集めていた。
ベルボン
中国の三脚メーカーとは異なり、展示している三脚の種類でも数でも圧倒していたベルボンブース。
今回出品された製品の中から選ばれ、主催者から表彰されたトラベル三脚「UTC-63」の表彰状とトロフィーが、製品とともに展示されていた。
サムヤン
サムヤンブース。ユーザーも多いようで、人気を集めていたブースの一つだ。人気はやはり、新登場のAFレンズシリーズ。
中一光学
中一光学も人気のブース。小さなブースはオープンな作りのものが多く、作品展示などはない。
GODOX
GODOXのブースでは、さまざまなライティング用品を展示。日本に紹介されていない製品も多く見られた。
ベンキュー
ベンキューブースでは写真家向けのディスプレイを展示。
カメラマンベストやカメラバッグ、ストロボ、三脚などを扱う小さなメーカーが数多く出展している。中国各地にあるメーカーのほかに、韓国、台湾、日本からの出展もあった。
講座区ではセミナーが行われていた。各社のブースにも小さなステージが設けられ、写真家によるセミナーに多くの来場者が集まっていた。
会場が小さくなったせいもあってか、目立った新製品がないにもかかわらず、会場の混雑ぶりは予想以上だった。アクセサリーでは角形フィルターを扱うブースが多かった印象があるが、実際ハイコントラストの写真が好きな国民性もあって、フィルターユーザーは多いのだという。一方、マウントアダプターを扱うメーカーは少なかった。
また、「大きくないと売れない」と言われていた中国でのミラーレス人気が今後どうなっていくのか、注目していきたいところだ。
次回のスケジュールはまだ発表になっていないが、例年4〜5月に開催されるChina P&Eは、来年から毎年開催となるドイツのフォトキナと会期が同時期になるのが気になるところ。フォトキナ、韓国P&Iの動向も合わせて、アジアのカメラショーはしばらく目が離せなくなりそうだ。
モデルギャラリー
〈写真・文〉柴田 誠