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手持ちで撮れるニコンの超望遠500mm「AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR」

ニコンが2018年8月23日にフルサイズミラーレスカメラ「Z7」「Z6」とZマウントレンズを発表し、話題を集めているが、一眼レフのことも忘れてはいない。同日、一眼レフ用のニコンFマウントレンズも発表された。大幅な小型化と軽量化を実現した超望遠レンズ「AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR」だ。発売予定日は2018年9月14日(土)、希望小売価格は506,000円(税別)。

AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR

手持ち撮影が楽しめるほど高い機動性と新開発のPF(回折)レンズ、ナノクリスタルコートによるクリアな描写を備えた超望遠500mmの登場は、超望遠レンズの可能性と撮影領域を大きく広げてくれるはずだ。

 

■大幅な小型・軽量化で手持ち撮影が楽しめる

「AF-S NIKKOR 500mm f/2.8E FL ED VR」は、最大径約106mm×長さ約237mm、質量約1460gと大幅な小型・軽量化を実現したFXフォーマット(フルサイズ)対応の超望遠レンズ。「AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR」(2015年7月発売)と比較して全長は約150mm、最大径は約34mm短縮されており、質量は約1630g軽減し(約53%減に相当)半分以下を達成した。通常は重さ3kgを超える500mm超望遠単焦点レンズが、望遠ズームレンズ「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR」とほぼ同等の重さになったことで、長時間の持ち歩きや軽快なフットワークを活かした機動性の高い撮影が可能となる。

 

■新開発のPFレンズを採用

光学系には新開発のPF(Phase Fresnel=位相フレネル)レンズ1枚、EDレンズ3枚を採用し、高画素のデジタルカメラに対応した高い解像力を発揮する。PFレンズとは、光の回折現象を利用して色収差を補正するレンズ。PFレンズの優れた色消し効果によって、レンズの薄肉化や比重の小さい硝材の使用が可能となり、軽量化が図られている。さらにナノクリスタルコートによるゴースト、フレアの高い抑制効果も加わって、極めてクリアな画像が得られる。

 

■防塵・防滴・防汚設計

レンズ鏡筒の可動部分にはシーリングが施され、防塵・防滴に配慮した設計がなされている。またレンズ前玉には、ニコン独自のフッ素コートが施されている点もこのレンズの大きな特徴の一つだ。

 

■AF性能

フォーカス光学系の軽量化により、AFスキャンタイム(大きくピントが外れている被写体の検出時にフォーカスレンズ群を動かす速度)は「AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR」の約半分に短縮されている。

 

■4.0段の手ブレ補正

手ブレ補正効果4.0段のVR機構を搭載。VRモードには通常の[NORMAL]モードに加えて[SPORT]モードが搭載された。[SPORT]モードでは、速い動きや動きの変化が激しい被写体を追従しやすく、高速連続撮影時のファインダー像も安定するといったメリットがある。

 

■アクセサリー

テレコンバーター「AF-S TELECONVERTER TC-14E III」(別売)使用時にも非使用時と同等の光学性能を達成する。「AF-S TELECONVERTER TC-14E III」装着時のDXフォーマット焦点距離は、35mm判換算で1050mm相当の画角となる。

 

■ミラーレスカメラにも装着できる

同時に発表された「マウントアダプター FTZ」を介して、ミラーレスカメラ「Z7」「Z6」にも装着できる。

AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR
マウントアダプターFTZを使用してニコンZ7に装着された「AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR」

 

■主な仕様

マウント ニコンFマウント CPU内蔵Eタイプ
焦点距離 500mm
開放絞り F5.6
最小絞り F32
レンズ構成 11群19枚(EDレンズ3枚、PFレンズ1枚)
画角 5°(FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)/ 3°10′(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
最短撮影距離 3.0m
最大撮影倍率 0.18倍
フィルター径 φ95mm
サイズ(最大径×長さ) φ106×237mm
質量 約1460g
付属品 95mmスプリング式レンズキャップLC-95、レンズ裏ぶたLF-4、バヨネットフードHB-84、レンズセミソフトケースCL-M5

 

 

〈文〉柴田 誠