川島小鳥さんが女優の尾野真千子さんを撮り下ろした写真集『つきのひかり あいのきざし』が発売された。
写真家と被写体は1歳違いの同世代だという。彼女の社会的な役割は外して、ただ一人の女性として時間を共有した。台湾を旅し、彼女の故郷である奈良県吉野の実家で過ごす。その写真からは、人が時間と場所を共有し、共に生きていくことの愛おしさ、かけがえのなさが静かに伝わってくる。誰もが表紙の写真を目にしたとき、違和感を抱くだろうが、すべての写真を目にした後では、見え方が変わっているはずだ。
■川島小鳥『つきのひかり あいのきざし』
A4判変型・186ページ
本体 2,500円(税別)
2018年11月1日発売
リブロアルテ
〈文〉市井康延