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流し撮りGP2018 チャンピオンのベスト作品がズラリ

CAPA連載のモータースポーツフォトコンテスト「流し撮りGP」。昨2018年シーズンの年間チャンピオンは、安定した実力を発揮して武川敏和さん(神奈川県)が獲得した。2011年、2012年に続き、自身3回目の王座獲得となった武川敏和さんは、流し撮りGPをスタート点に、多くのフォトコンテストで優勝や入賞を重ねるモータースポーツ界のハイアマチュアフォトグラファーだ。

 

武川敏和さんの自選ベスト8作品を「流し撮りGP2018 チャンピオンズギャラリー」としてお届けします。
流し撮りGP2018の情報は、CAPA2019年2月号に掲載されています。併せてお楽しみください。

流し撮りGP2018 チャンピオンズギャラリー

「無題」
2010年 流し撮りGP 第3戦 4位

流し撮りGP 応募1年目の初入賞。自分にとっては記念すべき作品です。「背景のギラギラ感が良い」とのご講評をいただき、見る人に訴える写真作りに気付かされた1枚でした。ここをスタート点に流し撮りGP が自分を鍛えて下さったと感謝しております。
キヤノンEOS 40D Tvモード 1/1250 秒 F6.3 (-1.0補正) ISO 100
2010 年 Formula Nippon 開幕戦 (鈴鹿サーキット/ 逆バンク)

 

「光を求めて」
2010年 第1回 F1日本GP フォトコンテスト 銀賞

流し撮りGP2018_武川敏和_チャンピオンズギャラリ

車体に落ちる夕日と影の境目を狙いました。フォトコンテストの表彰式はFormula Nippon 最終戦決勝日に行なわれ、観客の皆さんの前で鈴鹿の表彰台に立ち、佐藤琢磨選手から賞品を授与されたことは一生の思い出です。
キヤノンEOS 40D  Tvモード 1/800 秒 F6.3 (-0.7補正) ISO 100
2010年  F1日本GP (鈴鹿サーキット/ 逆バンク)

 

「待望の瞬間」
2011年 流し撮りGP 第5戦 1位

東日本大震災でレース距離が短縮されました。もしゴール時刻が日没後ならピット前通過の瞬間を狙おうと計画していました。撮影直後に液晶モニターで撮影画像を確認したとき思わず背筋がゾクッときました。これ以来「ゴール撮影」が病み付きです。
キヤノンEOS 40D  Tvモード 1/80 秒 F6.3 (+1.7補正) ISO 800
2011年 SUPER GT第5戦 (鈴鹿サーキット/グランドスタンド)

 

「陽だまり」
2011年 流し撮りGP 第6戦 1位

あまりにも草を照らす西日がきれいで、土手の上にあがり草を多く写し込みました。定番の夕日の色(イエロー系)ではなく、草のグリーン系で全体を仕上げたことが良かったと思います。
キヤノンEOS 40D  Tvモード 1/30 秒 F29 (-1.7補正) ISO 100
2011年 INDY JAPAN (ツインリンクもてぎ/S 字コーナー)

 

「威光」
2011年 第2回F1日本GP フォトコンテスト 金賞

太陽がとっぷり傾いた鈴鹿の夕暮は心打たれます。逆光となるヘアピン立ち上りのM・シューマッハ選手の銀色の車体に夕日が輝きました。神々しい雰囲気を出すために夕日の黄金色と影の青味を強調して仕上げました。
キヤノンEOS 40D Tvモード 1/320 秒 F9 (-1.0補正) ISO 100
2011年 F1日本GP (鈴鹿サーキット/ ヘアピン)

 

「FIRST IGNITION 2013」
2013年 流し撮りGP 第1戦 1位

新生SUPER FORMULA の合同テスト走行。加速感を出すために超低速シャッターで縁石を通るところを狙いました。車体色に合わせ全体の青味を強調し、車体の見せ方は抑え気味にして、前方の縁石の白と路肩の草の緑を強調して疾走感を表現しました。
キヤノンEOS 7D Tvモード 1/4 秒 F36 (-3.7補正) ISO 100
2013年 SUPER FORMULA  (富士スピードウェイ/ダンロップコーナー)

 

「ZENT P1」
2016年 流し撮りGP 第6戦 1位

マシンに優勝を知らせる「ZENT P1」のピットボードがフラッシュ光で静止して写りました。「表現と記録の二大要素を揃えたスポーツ写真のある完成形を見る思い」という過分なご講評に感激しました。撮影に成功するとゴールの写真はドラマチックです。
キヤノンEOS 7D Mark II Tvモード 1/80 秒 F5.0 (+2.0補正) ISO 1250
2016年 SUPER GT 第5戦 鈴鹿サーキット/ホームストレート

 

「1,000km一番乗り」
2017年 JRPAフォトコンテスト 四輪部門 グランプリ

夏の鈴鹿1000kmレースのゴールシーン。フェンスにカメラマンが来たのでフラッシュが光ることを期待しました。ドンピシャでフラッシュを焚いてくださったプロカメラマンに感謝するとともに、JRPA(日本レース写真家協会)主催のフォトコンに入賞できたことを誇りに思います。
キヤノンEOS 7D Mark II Tvモード 1/500 秒 F6.3 (+3.0補正) ISO 4000
2017年 SUPER GT 第5戦(鈴鹿サーキット/ホームストレート)

 
■武川敏和さんのコメント

私たちモータースポーツ写真ファンに夢と力を与えてくれるCAPA流し撮りGPに感謝しております。
2010年に参戦して以来、毎月のCAPA発売日には審査結果に一喜一憂してきましたが、ひとりで撮影を楽しんでいたころに比べ、じつに多くのことを教えられました。特に自分の写真を客観的に見られるようになってきたことは大きな成果と思っております。一歩引いて自分の写真を見直すことが技術(撮影・レタッチ・印刷など)と感性(構図・構成力など)の向上に役立つと実感しました。
今後も、きっとサーキットでお会いしていると思う応募者の皆様と楽しく競い合いながら、レース観戦と写真撮影を行なってゆきたいと思います。この度はありがとうございました。

■profile 武川敏和(たけかわ・としかず)
CAPA流し撮りGP 2018シリーズチャンピオン。同2011年、2012年チャンピオン。最大のライバルであり写真仲間である武川卓平さん(同2018ランキング2位)はご子息。奥様を含めご一家3人でのサーキットライフを楽しみ、シーズンオフには「マイ年鑑写真集」制作をして過ごすという「ベストアマチュア像」を体現する写真愛好家のひとり。現在の愛機はキヤノンEOS 7D Mark IIとシグマ150~600ミリF5-6.3 DG OS HSM SportにキヤノンPIXSU PRO-1。

■流し撮りGP過去の年間戦績
2010年:6位(得点29/2位1回)キヤノンEOS 40D
2011年:1位(得点53/優勝3回)キヤノンEOS 40D
2012年:1位(得点60/優勝1回)キヤノンEOS 40D
2013年:2位(得点55/優勝1回)キヤノンEOS 7D
2014年:2位(得点54/優勝2回)キヤノンEOS 7D
2015年:2位(得点45/2位2回)キヤノンEOS 7D
2016年:2位(得点54/優勝2回)キヤノンEOS 7D Mark II
2017年:3位(得点29/2位1回)キヤノンEOS 7D Mark II
2018年:1位(得点48/優勝1回)キヤノンEOS 7D Mark II

 

 

■流し撮りGP 2019
CAPA連載中のモータースポーツ写真フォトコンテンスト。審査委員長は、写真家の小林稔さん(日本レース写真家協会[JRPA] 会長)。流し撮り作品の迫力や撮影技術など、写真の総合力を評価・審査します。流し撮りGP2019は、2019年4月開幕予定です。お楽しみに。