キヤノンは、フルサイズミラーレスカメラの2号機となる「EOS RP」を発表した。発売は2019年3月中旬予定。価格はオープンで、キヤノンオンラインショップ直販価格はボディが160,500円(税別)。
<2019.3.9> 発売日が2019年3月14日(木)に決定。
「EOS RP」は、幅広いユーザーに35mmフルサイズの魅力を伝えることを目的に開発。小型・軽量を実現しながらも、EOS R システムの高画質の拡張性を堪能できるフルサイズミラーレスカメラのカジュアルモデルだ。価格を抑え、小型・軽量化を図ることで、APS-C一眼カメラからのステップアップや、フルサイズ機からの買い替え、またサブカメラとしての需要を見込んでいる。
■往年のレンジファインダーカメラにちなんで命名
名称の「EOS RP」の“P”は、往年のレンジファインダーカメラ「CANON P ポピュレール」(1959年)に由来する。「CANON P ポピュレール」は、当時の高級機にしか搭載されていなかったシャッター速度1/1000秒を備えるなど、大衆(Populaire=ポピュレール)路線の機種でありながら上位機の機能を備え、廉価機とは思えないこだわりを感じさせるモデルだった。ターゲットにマッチしたスペックと高い完成度、優れたコストメリットから大ヒットを記録したカメラだったことから、フルサイズミラーレスカメラの普及とEOS Rシステムの裾野の拡大になるようにという意図が込められている。
■小型・軽量化
「EOS RP」は約W132.5×H85.0×D70.0mmで、フルサイズのデジタルEOSシリーズのカメラとして最小のモデル。EOS Kiss X9i(W131.0×H99.9×D76.2mm)と比べても小型化が実感できるサイズだ。
重さは本体のみで約440g(バッテリー、ボディキャップ、外部メモリーカードを除く)となっており、EOS R(約580g)よりも約140gの軽量化が図られている。EOS Kiss X9i(約485g)と比べても約45g軽い。ボディが小型化されていることから、背面の液晶モニターは、EOS Rよりもやや小さい3.0型(EOS Rは3.15型)のバリアングル液晶を採用する。
■常用ISO感度は「EOS R」と同じ
画像処理エンジンはEOS Rと同じDIGIC 8を搭載しているが、イメージセンサーはEOS Rよりも画素数が抑えられ、有効約2620万画素のフルサイズCMOSセンサー(デュアルピクセルCMOS AF対応)を採用する。静止画の常用感度はISO 100〜40000。動画撮影時にはISO 100〜25600(4K撮影時はISO 100〜12800)で、暗いシーンに強い低ノイズで高感度な仕様となっている。
■最大5段の手ブレ補正「デュアルセンシングIS」
手ブレ補正機構はデュアルセンシングISを搭載し、対応レンズと組み合わせることで、補正効果は最大5段※。ジャイロセンサーで検知しにくかった手持ち撮影で生じる低周波のブレの補正にも威力を発揮する。
※静止画撮影時。発表時点の対応レンズは「RF24-105mm F4 L IS USM」「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」。
■瞳AFがサーボAFに対応
AFはサーボAFで約4コマ/秒、ワンショットAFでは約5コマ/秒の連続撮影を実現する。EOS Rに搭載されていたラージゾーンAFは搭載されていないものの、代わりにスポット1点AFを搭載し、多彩な撮影シーンに対応する。また、瞳AFはサーボAFにも対応し、連続撮影時のサーボAF、動画サーボAFでも瞳AFが可能となっている。
■レンズ光学補正
レンズ光学補正(デジタルレンズオプティマイザ)が標準でONとなっており、ほぼ常用で使用できる点も大きなメリット。周辺光量補正、色収差補正、歪曲収差補正、回折補正と行った補正が、連続撮影に影響を与えることなく、RFレンズと現行EFレンズ(マウントアダプター装着時)で対応可能となっている。
■キット
コントロールリング付きマウントアダプター「EF-EOS R」が同梱される2種類のマウントアダプターキットは、合わせて限定7,000台となっている。
EOS RP マウントアダプターキット
「EOS RP」ボディと「コントロールリング マウントアダプター EF-EOS R」のセット。価格はオープンで、キヤノンオンラインショップ直販価格は180,500円(税別)。
EOS RP・RF35 MACRO IS STM レンズキット
「EOS RP」ボディと広角マクロレンズ「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」のセット。価格はオープンで、キヤノンオンラインショップ直販価格は219,500円(税別)。
EOS RP・RF35 MACRO IS STM マウントアダプターキット
「EOS RP」ボディと「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」、「コントロールリング マウントアダプター EF-EOS R」のセット。価格はオープンで、キヤノンオンラインショップ直販価格は239,500円(税別)。
■アクセサリー
「EOS RP」専用の「エクステンショングリップ EG-E1」も2019年3月中旬発売予定。希望小売価格は9,500円(税別)。レッド、ブルー、ブラックの3色がラインナップされている。
▲EOS RP + EG-E1
■Canon EOS RP 主な仕様
有効画素数 約2620万画素
撮像素子 CMOSセンサー(撮像画面サイズ 約35.9×24.0mm)
マウント キヤノンRFマウント
ISO感度 ISO 100〜40000(拡張 ISO 50相当/51200相当/102400相当)
シャッター速度 1/4000~30秒、バルブ
ファインダー 0.39型 約236万ドット 有機ELカラー電子ビューファインダー [倍率]約0.70倍
画像モニター 3.0型 約104万ドット TFT式カラー液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I・II対応)
サイズ(幅×高さ×奥行き) 約132.5×85.0×70.0mm
質量 約440g(本体のみ)/約485g(バッテリー、メモリーカードを含む)
〈文〉柴田 誠