ニュース

波乱の時代を駆け抜けた数々のカメラが一堂に「平成のカメラ展」

平成は写真・カメラ産業において波乱の時代だった。写真フィルムの生産がピークを迎えた一方で、デジタルカメラが生まれて急速に発展した。日本カメラ博物館は、その乱世を製品で振り返る特別展「平成のカメラ展」を開く。会期は2019年6月30日(日)まで。

 

日本カメラ博物館「平成のカメラ展」

 

平成元年にはヒット商品になった「コニカ ビッグミニ」が発売され、その後、個性的なコンパクトカメラが各社から発売された。今も根強い人気の「コンタックス T2」など高級コンパクトというジャンルが市場を席巻したが、平成7年にはデジタルカメラ「カシオ QV–10」が登場。デジタル化への流れは必至ではあったが、フィルムの生産数量は平成12年まで伸長を続ける。

平成8年にはフィルムの新規格「APSフィルム」が投入され、シールプリンターや音楽プレーヤーを内蔵させたモデルなども生まれた。メーカーが模索していた様子も垣間見えてくる。コニカミノルタ、京セラなどが写真事業から撤退するほか、パナソニック、ソニーが参入し、大きな業界再編も起きた。

カメラを内蔵した最初の携帯電話は平成12年、シャープが出した「J–SH04」だ。新しい元号になって、時代はどう変化していくのか。平成を共に生きた人には懐かしさと予想外の驚きが、その時代を知らない人には新たな発見がきっとあるはずだ。

 

■日本カメラ博物館 特別展「平成のカメラ展」

会期 2019年3月19日(火)~6月30日(日)
会場 日本カメラ博物館
住所 東京都千代田区一番町25 JCII一番町ビル地下1階
時間 10:00~17:00
休館日 月曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)※4月27日~5月6日は無休
料金 一般300円 中学生以下無料
問い合わせ 日本カメラ博物館(TEL 03-3263-7110)

 


 

 
〈文〉市井康延