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写真家が、あえて自分でギャラリーを作る意味とは? 鶴巻育子さんに聞いた

写真家の鶴巻育子さんが東京・目黒に「Jam Photo Gallery」をオープンさせた。目黒駅から目黒川方面へ徒歩約6分の場所だ。目黒から中目黒エリアには小さなギャラリーが増えているという。

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「私自身もそうですが、周囲の写真家たちも展示場所に悩むことがあります。理想的な場所が作れたらいいなと思い始めました」と鶴巻さん。それが1年ほど前だ。

自分のギャラリーを持つことで、創作欲はさらに刺激される。またプロ、アマを問わず、若い写真家や写真家を志す人たちに活用してもらいたい。そういった思いに突き動かされ、去年の夏ごろから本格的に物件を探し始めた。

物件は都内でギャラリーが集まる地域を中心に、まず30〜40軒、建物の外観の雰囲気を見て回り、その後、内見2軒目で出会った。ビルは古いが、味わいがあり、2階だが入りやすい。展示する写真家にも、鑑賞者にも手ごろなサイズだ。

場所を決めてからは、都内のギャラリーを巡って内部空間なども研究。そして壁面は白、一歩入れば日常からふっと離れられる場所を目指した。

Jam Photo Gallery 鶴巻育子さん

「自分が理想とする空間に近づけられたと思います」と鶴巻さん。

スタンダードな見せ方として、16×20インチのプリントが20点展示できることを想定し、ラインティングなどを揃えた。企画展などを時折開きながら、レンタルギャラリーとして運営していく。写真のジャンルにはこだわらないが、一定以上のクオリティー、密度を持った展示ができるようにしたい。また、今後はワークショップも予定しているそうだ。

こけら落としは鶴巻さんがイギリスで撮ったプライベートで大切な写真を展示した。4月28日まで岡嶋和幸写真展「風と土」が開催中で、次いで半杭誠一郎写真展「ミントコン 家族写真を撮ること、飾ること」(4月30日〜5月5日)、ハービー・山口写真展「CLASH and CLICK〜あのロンドンの記憶」(5月7日〜26日)と続く。

Jam Photo Gallery

住所 東京都目黒区目黒2-8-7 鈴木ビル2階B号室
開廊時間 12:00〜19:00(日曜は17:00まで)
アクセス JR/東急/地下鉄 目黒駅より徒歩5分
TEL 050-5438-2134
定休日 月曜

 

〈文〉市井康延