ケンコー・トキナーは、可変式NDフィルター「バリアブルNDX II」を2019年7月19日に発売した。サイズは77mmと82mmで、希望小売価格は77mmが40,000円、82mmが44,000円(いずれも税別)。
「バリアブルNDX II」は、前枠を回転させることで減光量を調整できる、可変式のNDフィルター。減光量はND2.5~ND450に相当する。動画撮影でも露出オーバーを防ぐために欠かせないフィルターで、静止画でのスローシャッター撮影にも使用可能。前モデルより性能がアップしながらも、より求めやすい価格設定となっている。
■可変式NDフィルターのメリット
通常のNDフィルターは、撮影シーンに応じて濃度の違うフィルターに付け替える必要があるうえ、濃いNDフィルターを使う場合、構図決定やピント合わせのたびにフィルターの付け外しを行う必要がある。その点、可変式NDフィルターなら前枠を回転させるだけで自在に減光量を調整できるので、付け替えや付け外しは不要。撮影時の手間を解消する。
■色カブリなしの忠実な色再現
前モデルの「バリアブルNDX」は、フィルターなしと比べるとわずかに黄色みがかっていたが、「バリアブルNDX II」は新開発の偏光膜採用により色のニュートラル性をアップ。忠実な色再現を実現する。
■スムーズに撮影できる可動範囲とレバー
動画撮影で便利なレバーが新たに付属する。レバーは着脱可能で、装着位置は2か所設けられており、操作しやすい位置にセット可能。回転枠の可動範囲は、濃度の最小から最大までの90°とすることで、スムーズな撮影を可能にした。
■偏光効果を起こさない独自設計
可変式NDフィルターは、PLフィルターを2枚重ねたような構造により濃度を変える仕組みとなっている。この仕組み上、通常のNDと比べて解像度の低下や色ムラが発生するものがあるが、「バリアブルNDX II」は独自設計により、濃度を変えたときの色調のズレを極力抑えている。また、偏光膜を使用しながらも、PLフィルターのような反射除去効果はなく、減光効果のみを得ることができる。なお、ガラス4枚を使用する構造上、通常のフィルター枠より厚い枠となっており、28mm(目安)以下の焦点距離ではケラレが発生する場合がある。
■使用可能な濃度範囲(目安)
ND効果を最大に近づけたときに映像にX状のムラを生じたり、青みがかったりする場合がある。使用するレンズの焦点距離が短いほどムラが出やすくなる。使用可能な濃度範囲の目安は、35mm判換算24mmでND40(5 1/3絞り分減光)まで、35mmでND80(6 1/3絞り分減光)まで、50mm以上でND450(約9絞り分減光)までとなる。
〈文〉佐藤陽子