Appleは日本時間の9月11日未明に開催された発表会にて、通常ラインナップのiPhone 11に加え、「iPhone 11 Pro」と「iPhone 11 Pro Max」を発表した。両モデルは「プロ」名にふさわしく、「iPhone史上最も明るい」とされるディスプレイを備えつつ、新しいチップにより、電力消費効率をさらに高めて駆動時間を延長したとのこと。望遠レンズを搭載するなど、iPhone 11からさらにカメラ機能が進化している点も見逃せない。
カメラ機能が本格的に進化
初期の頃のiPhoneは、「写真“も”撮れる」といったニュアンスだったが、今となっては、本格的なカメラに負けないくらいのクオリティの写真が撮れるようになった。むしろ、下手なカメラよりもiPhoneで撮影した写真のほうがキレイだったりすることさえある。iPhone 11の記事でもカメラ機能の進化について触れたが、iPhone 11 Proシリーズでは、トリプル12MPカメラ（超広角、広角、望遠）、デュアル光学式手ブレ補正となり、さらにカメラとしての完成度が上がっている。
＜搭載レンズ＞
超広角 13mm相当（35mm換算）f2.4
広角 26mm相当（35mm換算）f1.8
望遠 52mm相当（35mm換算）f2.0 ＊iPhone 11 Pro シリーズのみ
iPhone 11と同じく、「ナイトモード」や「より明るいTrue Tone フラッシュとスローシンクロ」機能も新たに追加された。さらに、ポートレートモードや6つのエフェクトを備えたポートレートライティング機能を使えば、“手軽に”リチャード・アヴェドンの大判カメラで撮影したモノクロポートレートのような写真が撮れてしまったりする。
もちろん雑誌の裁ち落としやポスターのように大きく引き延ばす場合などでは、「カメラ専用機」（一眼レフなど）にはまだまだかなわない部分もあるが、SNSなどで使用するぶんには遜色なく、カッコよく美しい写真を撮ることができるだろう。
さらに、耐水性能のレベルも上がり「水深4mで最大30分間の耐水」としている（iPhone 11は「水深2mで最大30分間の耐水」）。もともとスマートフォンはカメラと比べると小型軽量なので、様々なフィールドに手軽に持っていって撮影することができるのだが、耐水性能の向上で気兼ねなく撮影できるシーンが増えたのは喜ばしい。
画面サイズは、iPhone 11 Proが5.8インチ、iPhone 11 Pro Maxが6.5インチ。同時に発表された廉価版新型機種iPhone 11の画面サイズは6.1インチなので、小さいサイズ順にiPhone 11 Pro、iPhone 11、iPhone 11 Pro Maxとなっている。iPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Maxの主な違いとしては、この画面サイズの違いと、バッテリー
Appleストアでの価格は税別で、iPhone 11 Proが106,800円～、 iPhone 11 Pro Max が119,800円～。価格が多少高めに感じるが、iPhone 11 Proシリーズは、今回「Pro」という名前がついたことからうかがえるように、「ハイエンド」という位置付けなので、それに納得したうえで購入するべきである。望遠レンズが不要の場合は、コスパの高いiPhone 11も有力な選択肢だろう。
「プロ」名を冠するハイエンドスマートフォン
スマートフォンのシェア率に関して、日本におけるiPhoneの比率は世界に比べて高い。いつしかiPhoneは多くの人が所持し、かなり一般的にものとなったが、それにつれ特別感が薄れてしまったようにも思う。さらに、ここ最近では低価格なラインナップが目立つAndroid勢の台頭により、iPhoneが少々押され気味になってしまっているように感じるのは、筆者だけではないだろう。かつて、新しいiPhoneが発表されるとまるでお祭りのように喜び踊り、誰よりも先にiPhoneを手に入れようとしていた時代が懐かしくさえ感じられる。
▲写真は、2010年6月のiPhone 4発売時のアメリカ・ニューヨーク（筆者撮影）
すっかりスマホが高性能なことに慣れてしまって、多少の性能アップでは驚かれない世の中になってしまったという面もあるだろう。だが、今回発表された製品を見て、iPhoneは着実に正常進化していることを改めて感じた。
筆者の思うApple製品の魅力としては、操作性が良いことや画面・本体が美しいこと、グラフィックなどに統一感があること…といった製品本体の完成度の高さに加え、Appストアに統制が行き届いていて安全性が高いこと、iCloudの利便性、バックアップ機能、電話やメッセージ、メールなどのMacとの連携、Apple Music、純正アプリの完成度などなど、ソフトウエアやサービス面などのトータルでのサービスとして、非常にクオリティが高いと感じている。
iPhone 11 Pro／Pro Maxはそのハイエンドスマートフォンとして、カメラ機能を中心に見るべきところの多い製品となっている。