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写真を5Gで高速伝送! ラグビーワールドカップの舞台裏でキヤノンが伝送実験

「ラグビーワールドカップ2019日本大会」のオフィシャルスポンサーとして協賛するキヤノンは、2019年9月20日から始まる「ラグビーワールドカップ2019日本大会」で、5G(第5世代移動通信システム)を使った報道写真の伝送実験を実施する。実証実験は、東京スタジアムで開催される開幕試合(日本×ロシア)をはじめ、「ラグビーワールドカップ2019日本大会」の複数の試合で行われる。

ラグビーワールドカップ2019日本大会キヤノン報道写真5G伝送実験

 

■5Gを用いたカメラシステムによる報道写真の伝送実験

高速大容量、低遅延通信が特長の5G(第5世代移動通信システム)。キヤノンはこの5Gを活用する写真の高速伝送を実現するカメラとアプリケーションの開発を進めている。そして「ラグビーワールドカップ2019日本大会」では、トーナメントサプライヤーのNTTドコモと国内外10社以上の報道機関各社が協力して、5Gを使った報道写真の伝送実験が行われる。

具体的には、キヤノンのレンズ交換式カメラと開発中のアプリケーションに、ドコモが提供する5Gの携帯端末を組み合わせることで、プロフォトグラファーがスタジアムで撮影した大容量の報道写真が、5G回線を通じて写真集積サーバーやクラウドなどに高速でアップロードされるという。

 

■報道のワークフローを大きく変える可能性

スタジアムで撮影された膨大な報道写真は、5G回線を通じて、報道機関各社のサーバーに直接アップロードされる。撮影現場でデータを選択してアップロードする必要がなくなるなど、即時性と柔軟性の高い報道業務を実現しようというものだ。

報道のワークフローを大きく変える可能性を秘めているのが今回の5Gの実証実験だ。ロサンゼルスオリンピック(1984年)では、キヤノンが開発したスチルビデオカメラのシステムが投入され、報道写真の画像伝送に利用された。それが報道写真に与えた影響は大きかった。

今回はまだ実験段階だが、テレビや新聞で紹介される多くの写真の舞台裏を想像しながら、「ラグビーワールドカップ2019日本大会」を観戦するのも面白いかもしれない。そして来年の東京オリンピックではどこまで進歩して、どんな映像を届けてくれるのか。報道写真のあり方は、まだまだ変わっていくに違いない。

 

■実施会場と対象試合
以下の5試合や決勝トーナメントなどで開催される複数の試合で実施予定。

  • 9月20日(金) 東京スタジアム 日本×ロシア戦
  • 9月28日(土) 小笠山総合運動公園エコパスタジアム 日本×アイルランド戦
  • 10月5日(土) 豊田スタジアム 日本×サモア戦
  • 10月12日(土) 横浜国際総合競技場 イングランド×フランス戦
  • 10月13日(日) 横浜国際総合競技場 日本×スコットランド戦

 

 

〈文〉柴田 誠