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2019グッドデザイン大賞は写真現像技術を応用した富士フイルム「結核迅速診断キット」に決定

公益財団法人日本デザイン振興会が、2019年度グッドデザイン賞の特別賞各賞を発表した。2019年度のグッドデザイン大賞は、富士フイルムが写真現像技術を応用して開発した医療用製品「結核迅速診断キット」が受賞。シグマのフルサイズミラーレスカメラ「SIGMA fp」がグッドデザイン金賞を受賞している。

結核迅速診断キット
▲富士フイルム 結核迅速診断キット

 

グッドデザイン賞は総合的なデザイン評価・推奨制度で、くらしや産業や社会の質を向上させる優れたデザインと認められるものに授与される。2019年度は1,420件がグッドデザイン賞に選定された。グッドデザイン賞の中から審査委員会により特に高い評価を得た100件はグッドデザイン・ベスト100に選出され、さらにその中から特別賞各賞と大賞が決定する。

グッドデザイン大賞は、その年のデザインおよび社会の傾向を象徴する最も優れたデザインと認められるものに贈られる。富士フイルムの「結核迅速診断キット」は、開発途上国に多い結核患者を救うため、高額な機器と同等の感度70%で容易に結核菌の有無判定を可能にした志と技術とデザイン、そして写真現像で培ってきた「銀増幅技術」を活用したことも高く評価された。なお、富士フイルムはプロジェクター「Z5000」など4製品がグッドデザイン金賞を受賞している。

 

SIGMA fp
▲SIGMA fp

 

グッドデザイン金賞は、社会の課題に対する取り組みとしての内容、将来に向けた提案性や完成度の高さなど、総合的な観点から特に優れていると評価したデザイン19点に贈られるもの。シグマは、2014年度にコンパクトデジタルカメラ「dp Quattro」、2016年度にミラーレスカメラ「sd Quattro」でもグッドデザイン金賞を受賞している。

「SIGMA fp」に対する審査委員の評価は以下のとおり。

「そう、これが欲しかった!」という多くのカメラマン、映像作家の声が聞こえてきそうな、フルサイズミラーレスのカテゴリーに他社とは全くコンセプトの違うカメラが登場した。静止画、動画、スナップ、風景、ドローン、スポーツ、シネマ等々、多様化するカメラというプロダクトの構成を一旦バラバラにして、その最小公倍数を撮影システムのハブとみなし、小さな箱に結実させたような存在。そこから広がるあらゆる撮影スタイルへの展開を、多くの「撮りたい」と願う人々に容易にイメージさせる。取り外し式のストラップ金具や放熱のためのヒートシンクなど、細やかに配慮されたディテールもこのプロダクトの魅力を更に高めている。