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EOS Rで本格的な天体撮影を! 天体撮影用フルサイズミラーレス「EOS Ra」発売

キヤノンは、本格的な天体撮影を実現するフルサイズミラーレスカメラ「EOS Ra」を2019年12月上旬に発売する。価格はオープン。キヤノンオンラインショップの販売価格は298,000円(税別)。

<2019.12.2> 発売日が2019年12月5日に決定。

EOS Ra

「EOS Ra」は、「EOS R」をベースに開発された天体撮影専用のフルサイズミラーレスカメラ。有効画素数最大約3030万画素のフルサイズCMOSセンサーと天体撮影に適した光学特性を備え、赤い星雲などを高精細かつ鮮やかに描写することができる。

EOS Ra+RF15-35mm F2.8 L IS USM
RF15-35mm F2.8 L IS USM 装着時

■天体撮影に適した光学特性

「EOS Ra」は、CMOSセンサーの前面に配置しているローパスフィルターの特性を変更し、星雲などが放つ光の波長の一つ“Hα線”の透過率を「EOS R」の約4倍に高めている。キヤノンはこれまで、「EOS 20Da」「EOS 60Da」といった天体撮影専用の一眼レフカメラを開発している。ただし、これらの機種はローパスフィルターを外したローパスレスのカメラだ。「EOS Ra」はローパスフィルターを残したまま、その特性を変えている点が従来と大きく違う。

さらに「EOS Ra」では、フルサイズCMOSセンサーと映像エンジン DIGIC 8の組み合わせにより、最高ISO 40000の常用ISO感度と低ノイズの撮影を実現。これにより、干潟星雲(M8)や三裂星雲(M20)、エータカリーナ星雲といった赤みの強い星雲を高精細で鮮やかに撮影することができる。

EOS Ra 作例
▲「EOS Ra」で撮影し、RAW現像ソフト「DPP」で編集した画像。左の写真は下が干潟星雲(M8)、上が三裂星雲(M20)。右の写真はエータカリーナ星雲。

■天体撮影に便利な操作性

「EOS Ra」のモニター映像の拡大倍率は、「EOS R」の最大10倍から最大30倍に変更されている。細かな星を大きく拡大表示して確認できるので、シビアなピント合わせが可能だ。一眼レフよりも小型・軽量なボディにバリアングル液晶モニターを搭載しているので、三脚にカメラを固定したままでも、モニターによる撮影設定の調整と映像確認ができるのも便利だ。

なお「EOS Ra」は天体撮影専用仕様のカメラのため、天体以外の一般的な被写体の撮影は推奨されていない。通常撮影では、実際よりも赤みの強い撮影画像になるほか、適切なカラーバランスを得られなかったり、部分的な色ムラが発生する場合がある。

 

Canon EOS Ra 主な仕様

有効画素数 約3030万画素
撮像素子 CMOSセンサー
マウント キヤノンRFマウント
ISO感度 ISO 100〜40000(拡張 ISO 50相当 / 51200相当 / 102400相当)
シャッター速度 1/8000~30秒
ファインダー 0.5型 約369万ドット 有機ELカラー電子ビューファインダー
画像モニター 3.15型 約210万ドット TFT式カラー液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I・II対応)
サイズ(幅×高さ×奥行き) 約135.8×98.3×84.4mm
質量 約580g(本体のみ)/ 約660g(バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 バッテリーチャージャー LC-E6、バッテリーパック LP-E6N、インターフェースケーブル IFC-100U プロテクター、インターフェースケーブル IFC-100U(コアなし)、ネックストラップ ER-100B

 

 

〈文〉柴田 誠