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カメラ好き必携の一冊、著名写真家が愛した名機たち『カメラとにっぽん 写真家と機材の180年史』

日本カメラ博物館の開館30周年を記念して、書籍『カメラとにっぽん 写真家と機材の180年史』が発売された。

 

カメラとにっぽん 写真家と機材の180年史
カバー写真:鏡に向かってライカM3を構える名取洋之助 (ネガ密着写真より)。北イタリア、1960年頃。

 

その名機が歴史に刻まれたのは単に技術的に優れていただけではなく、それらに魅了された写真家がいたからだ。本書を読むとそう確信する。カメラ史を辿りながら、その1台を愛用した写真家とその活動、作品を紹介する。

ローライフレックスでは意外にも木村伊兵衛を選び、彼のこんな言葉を引用する。「ローライだとライカで十枚うつすものを四枚位ですむ」。その真意は本書で読んでほしい。

安井仲治はパーレット、増山たづ子はピッカリコニカ、森山大道はコンパクトカメラなど、登場するのは幅広い分野で活動した写真家たち。また「私とカメラ」と題し、操上和美、須田一政、長倉洋海ら15名が自らの写真史を語るエピソードも興味深い。カメラ好き必携の一冊。

 

日本カメラ博物館 編著『カメラとにっぽん 写真家と機材の180年史』

B5判・176ページ
本体 2,700円(税別)
2019年10月26日発売
国書刊行会

 

 

〈文〉市井康延