ニュース

プロの要求に応えるキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF PRO」5機種発売

キヤノンは、業務用大判インクジェットプリンター imagePROGRAF PRO (イメージプログラフ プロ) シリーズの新製品を発表した。8色インクモデルの「imagePROGRAF PRO-6100S / 4100S」と12色インクモデルの「imagePROGRAF PRO-6100 / 4100 / 2100」の2ライン5機種で、価格は「PRO-6100S」が149万円、「PRO-4100S」が59万8,000円、「PRO-6100」が154万円、「PRO-4100」が64万8,000円、「PRO-2100」が32万8,000円 (いずれも税別) 。「PRO-6100S」を除く4機種の発売は2020年4月13日。「PRO-6100S」の発売は、2020年7月上旬の予定となっている。

imagePROGRAF PRO-6100
▲imagePROGRAF PRO-6100

■プロの要求に応える高画質

imagePROGRAF PROは、写真やアート作品、商業広告などのグラフィックアート市場向けの大判インクジェットプリンターで、顔料インク「LUCIA PRO (ルシアプロ)」を採用する。色材をカプセル化することで、用紙上に色材を高密度に配置して、光沢紙・半光沢紙では印刷表面の平滑性が増して散乱光が抑制され、マット紙やファインアート紙では色材が用紙の表面に留まることから、発色性に優れた、色鮮やかなプリントを実現する。

12色インクモデルの「imagePROGRAF PRO-6100 / 4100 / 2100」では、透明インクの「クロマオプティマイザー」を光沢紙・半光沢紙への印刷時に使用することで、印刷表面の平滑性が高まり、色の見え方に影響を与える余分な光の反射を抑制し、黒や暗部の高い色再現性を実現する。「PRO-6100S / 6100」が60インチ (紙幅約1524mm)、「PRO-4100S / 4100」が44インチ (B0ノビ / 紙幅約1118mm)、「PRO-2100」が24インチ (A1ノビ / 紙幅約610mm) の用紙サイズにそれぞれ対応する。

■出力ワークフローを効率化

ロール紙を給紙部に置くだけで、自動で用紙が給紙・搬送され、プリンターが印刷可能な状態に調整される「自動ロール紙セット」機能を搭載する。内蔵マルチセンサーによる用紙特性の測定と、用紙の使用履歴に基づく学習機能から用紙の種類を自動判別し、紙幅も自動検知する。写真作品などの印刷に多用される厚手のファインアート紙でも自動給紙が可能で、給紙時に用紙の印刷面に触れる必要がなく、指紋や汚れの付着を防止することができる。

また「PRO-6100S / 6100」では、ロール紙を同時に2本セットできる2段ロール給紙機構「マルチファンクションロールシステム」を標準装備する (PRO-4100S / 4100 / 2100では別売オプションのロールユニットが必要)。上下段を両方使用した大量連続印刷やサイズや種類の異なる用紙を切り替えて印刷することができ、上段からの長尺プリントを巻き取る装置として下段を使用することも可能だ。

imagePROGRAF PRO-4100S
▲imagePROGRAF PRO-4100S (オプションのロールユニット装着時)

■幅広いソフトに対応

imagePROGRAF PROシリーズ向けのパソコン用ソフト「Professional Print & Layout」に対応し、さまざまなサイズや向きの複数画像を自動配列して、用紙幅を効果的に活用した無駄のないレイアウトで印刷することが可能となっている。

さらにスマホアプリ「Canon PRINT Inkjet / SELPHY」でプリンターの操作ができるほか、パソコン用ソフト「PosterArtist Lite」により、簡単にポスター作成が可能。パソコン用ソフト「Device Management Console」で、複数台のプリンターを一元管理することもできる。ソフト、アプリはいずれも無償となっている。

■個人向けプリンターの進化にも期待

imagePROGRAF PROの新機種登場により、写真作品作りに向けた「ImagePROGRAF PRO 1000」をはじめとするPRO LINEシリーズがどう進化していくのか楽しみだ。顔料インクの8色モデルの登場にも期待したい。

 

 

〈文〉柴田 誠