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カメラ業界も新型コロナウイルス対策を支援、リコーと富士フイルムがクラウドサービス無償提供

政府の緊急事態宣言を受け、新型コロナウイルス対策として、多くの企業でテレワークの導入が進められている。そうした中で、さまざまな業界で支援の動きが出ている。富士フイルムイメージングシステムズとリコーからは、クラウドサービスの無償提供という支援が発表された。

 

▲リコーの「THETA 360.biz」活用例

■リコーは施設や商品をVRで紹介できる「THETA 360.biz」の60日間無償プランを提供

リコーは、VR (バーチャルリアリティ) を活用して、離れた場所から学校や施設、商品を紹介できるクラウドサービス「THETA 360.biz」の「導入支援フリープラン」を60日間無償提供する。

「THETA 360.biz」は、離れた場所からスマートフォンやパソコンを使って施設や商品を紹介することができ、臨場感のある上下左右360°の画像情報を提供することが可能なシステム。無償プラン提供の背景には、施設や商品を紹介したい人と現場に訪問することができない人との橋渡しの機会を提供したいという考えがあるということだ。不動産物件などを直接案内することが困難になっている事業者支援として提供するもので、期間は2020年5月29日までの申し込みに限られる。

学校のオープンキャンパスをはじめ、ショールームでの営業、不動産の内見などが自粛される動きがあり、施設や商品を確認するために現地に足を運ぶことができない人が増えている。「THETA 360.biz」の無償提供をきっかけに、「RICOH THETA」を使った臨場感のあるVR映像の利用者が増えていくと、施設や商品を紹介するシステムが大きく変わっていくことになるのかもしれない。

RICOH THETA V
▲リコーは「THETA 360.biz」有料プランの新規契約者に360°カメラ「RICOH THETA V」を無償提供する支援も5月29日まで実施している。

 

■富士フイルムイメージングシステムズはクラウド型ファイル送受信サービスを無償提供

富士フイルムイメージングシステムズは、企業向けのクラウド型ファイル送受信サービス「SECURE DELIVER (セキュアデリバー) 」を、2020年6月30日までの期間限定で無償提供する。

テレワークの事業活動を支援するために、大容量データや秘匿性の高いデータを安全に送受信したいというニーズに応えるもので、メールの添付ファイルとしては送信できない大容量ファイルや秘匿性の高いデータを、取引先や関係者と安全かつ効率的に送受信することができる。申し込み期間は5月15日までで、新規申し込みの法人・団体が対象となる。

大容量データを安全に送受信したいというニーズは、写真家や写真愛好家にも共通した課題の一つ。企業向けだけでなく、一般向けにも開放してもらえるとうれしいサービスだ。

富士フイルム SECURE DELIVER

 

 

〈文〉柴田 誠