ソニーは、Vlog (ブイログ) コンテンツの撮影に特化したコンパクトデジタルカメラ「VLOGCAM ZV-1」を2020年6月19日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は91,000円前後。
＜2020.10.27＞ カラーバリエーションにホワイトが追加。
「VLOGCAM ZV-1」は、有効約2010万画素の1.0型CMOSセンサーに、35mm判換算で24〜70mm相当のズームレンズを搭載するなど、「Cyber-shot (サイバーショット) RX100 V」にも搭載されるセンサーやレンズを基本に、Vlogに特化した機能を搭載する。
画像処理エンジンはBIONZ X (ビオンズ エックス) を採用し、高速処理を実現。AF性能は「RX100 VII」と同等レベルの性能を備える。さらに、自撮り時に握りやすいグリップやバリアングル液晶モニターなど、快適な撮影をサポートするデザインや操作性も実現する。美しいボケ描写、高いAF性能、顔の明るさ自動調整、クリアな音声収録など、Vlogerが見せたいものや伝えたいことを印象的に表現することができるデジタルカメラだ。ウインドノイズを大幅に低減するウインドスクリーンなどを付属している。
■ワンプッシュ機能
背景ぼけ切り換え
ボタン一つで自撮り時の背景を「ぼけ」または「くっきり」に切り替えることができる機能を搭載し、撮影中でも瞬時に切り替えができる。
商品レビュー用設定
商品などを動画で紹介する際に、顔と商品のフォーカスをスムーズに切り替えることができる機能。ボタン一つでオンにすることができる。
■撮影機能
顔優先AE
自動で顔を検出し、顔優先AE機能で露出を補正する。明るい場所から急に日陰へ移動するシーンでも、最適な顔の明るさをキープすることができる。動画と静止画で、それぞれに合わせて肌の色合いを最適化し、自撮りの肌の色合いを自然な明るさで撮影することが可能となっている。さらに肌を明るくキレイに撮影する「美肌効果」を備えており、顔の小じわやシミ、くすみなどを目立たなくして、目や口もとにメリハリをつけてきれいな肌で撮影することができる。
ファストハイブリッドAF対応
像面位相差AFセンサーの搭載により、「ファストハイブリッドAF」が動画撮影時にも対応する。厳密なピント合わせが要求される4K動画撮影で、高精度なフォーカシングが可能。また、動画撮影時のAF駆動速度設定やAF追随感度設定にも対応する。
リアルタイム瞳AF (人物) 対応
画面内の人物を、AIを活用したリアルタイムトラッキングで追随し、瞳検出時にはリアルタイム瞳AFで追随する。動画撮影中も自動的に瞳にピントを合わせ続ける。リアルタイム瞳AFは動物に対応したアルゴリズムが追加されており、動物の瞳を高速・高精度に自動検出・追随することも可能だ (静止画撮影時のみ)。静止画撮影時と同様にスクリーン上でフォーカスしたい被写体をタッチすれば、スムーズに追随し続けるタッチトラッキングとの併用にも対応する。
■音声機能
クリアな音声で記録
音声を高音質に収録する指向性3カプセルマイクを搭載する。ハンディカムで培ってきた高音質録音技術を採用し、高い集音性能とノイズリダクションを3つのマイクカプセルで可能にした。マイクの内部構造を見直したことにより集音効率が向上し、よりクリアな録音を実現。集音構造のカバー形状も変更し、付属のウインドスクリーンをマルチインターフェースシューに取り付けることで、風切り音を低減。屋外での自撮り撮影時でもクリアな音声録音を実現する。
マイク端子を搭載
ボディ側面に外部マイク用の端子を装備し、外付けマイクの接続が可能となっている。別売りの外付けマイクを接続して、より音質にこだわった動画を撮影することができる。
■手ブレ補正機能
光学式と電子式を組み合わせた手ブレ補正機能を搭載し、HD動画撮影時の手ブレ補正機能を強化。歩きながらの手持ち自撮りでも、安定した動画を撮影することができる。別売りのシューティンググリップ「GP-VPT2BT」使用時には、片手で手持ち撮影が可能。撮影やズームなどのカメラの操作も、グリップを握ったままでできる。
■動画撮影機能
4K対応
4K動画記録、プロ用に開発されたXAVCフォーマットを一般向けに拡張したXAVC Sに対応しており、プロレベルの高画質なVlog撮影が可能。100Mbpsのハイビットレートで、圧縮ノイズの少ない高解像な映像を撮影することができる。
スーパースローモーション、タイムラプス動画
スーパースローモーション撮影、一定の間隔で連続撮影を行うインターバル撮影に対応。インターバル撮影した画像からタイムラプス動画を作成することができる。
HLG撮影
HDR対応のピクチャープロファイルHLG (Hybrid Log-Gamma＝ハイブリッド ログ ガンマ) を搭載しており、HDR (HLG) 対応のテレビで映像を再生することで、黒つぶれ・白とびを抑えた映像を楽しむことができる。ピクチャープロファイルには、階調特性を重視したS-Log3を搭載する。色域は、S-Gamutの色再現性を改善したS-Gamut3や、ネガフィルムをスキャンしたデータに近づけて設計されたS-Gamut3.Cineにも対応。また、広色域のBT.2020カラースペースにも対応している。ダイナミックレンジとノイズのバランスが異なる4種類の設定値 (HLG/HLG1/HLG2/HLG3) を搭載しており、シーンに合わせた使い分けができるようになっている。
■デザイン
バリアングル液晶モニター
約294ｇの小型軽量ボディを実現しながら、横方向に開くバリアングル液晶モニターを搭載。自撮り撮影時でもマルチインターフェースシューに装着した外部マイクに触れる心配がない。液晶モニターは、画面収納時に電源をオフにできる。
操作性
ボディにグリップが装備され、しっかりとしたホールド性を実現。自撮り時には、親指を添えることで安定して握ることができる。また、大きく押しやすいサイズのMOVIE (動画) ボタンをカメラ上部に配置することで自撮り時の操作性が向上した。録画ランプがカメラ前面にも配置されており、録画中であることをひと目で確認することができる。
縦位置動画の向きを維持
カメラを縦にして撮影した動画を、スマートフォンなどに転送したあとも縦のまま再生・編集が可能となっている。向きを変える必要がないため、SNSなどで活用するのに便利だ。
■スマホに転送して動画編集
Wi-Fi通信機能を使用して、撮影した動画をスマートフォンやタブレットに手軽に転送することが可能となっており、そのまま動画投稿サイトやSNSなどにアップロードすることができる。また、「Imaging Edge (イメージング エッジ) 」のモバイルアプリ「Movie Edit add-on (ムービー エディット アドオン)」を使って、撮影した動画をスマートフォン上で簡易編集が可能だ。アプリ上で手ブレを補正したり、映像をなめらかにすることができるほか、選択した被写体をメインにトリミングしたり、動画のスピードを変更することもできる。
■WEBカメラとして使用可能
「VLOGCAM ZV-1」をWindows10搭載のパソコンにUSB接続することで、WEBカメラとして使用することができる。対応するPCソフトウェアは、2020年7月頃に公開予定となっている。
シューティンググリップキット VLOGCAM ZV-1G
「VLOGCAM ZV-1G」は、「VLOGCAM ZV-1」本体に加え、Bluetooth対応のワイヤレスリモートコマンダー機能付シューティンググリップ「GP-VPT2BT」、バッテリーパック (本体同梱分と合わせて2個) をセットにしたシューティンググリップキット。Vlogや自撮りで、ハイアングルやローアングルといった多様なスタイルでの撮影が可能になる。市場推定価格は104,000円前後 (税別)。
先行展示
ソニーショールーム/ソニーストア銀座、ソニーストア札幌、ソニーストア名古屋、ソニーストア大阪、ソニーストア福岡天神で先行展示が行なわれている。
SONY VLOGCAM ZV-1 主な仕様
有効画素数 約2010万画素
撮像素子 1.0型 (13.2×8.8mm) Exmor RS CMOSセンサー
レンズ ZEISSバリオ・ゾナーT*レンズ
[焦点距離] 24-70mm (35mm判換算) [開放F値] F1.8 (W) 〜F2.8 (T) [光学ズーム倍率] 2.7倍 [最短撮影距離] 約5cm [レンズ構成] 9群10枚 [絞り羽根枚数] 7枚 (円形絞り)
ISO感度 ISO 125〜12800 (拡張 ISO 80/100)
シャッター速度 メカシャッター 30〜1/2000秒、電子シャッター 30〜1/32000秒
画像モニター 3.0型 921,600ドット エクストラファイン液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード、microSD/microSDHC/microSDXCメモリーカード、メモリースティック デュオ/PROデュオ/PRO-HGデュオ、メモリースティックマイクロ/マイクロMark2
サイズ (幅×高さ×奥行き) 約105.5×60.0×43.5mm
質量 約267ｇ (本体のみ) / 約294ｇ (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 リチャージャブルバッテリーパック、マイクロUSBケーブル、ウインドスクリーン、ウインドスクリーンアダプター、シューティンググリップGP-VPT2BT ほか
〈文〉柴田 誠