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操作は至ってシンプル! 超スリムなペン型の360°全天球カメラ「IQUI」に触ってきた

リコー発のスタートアップカンパニーであるベクノスは、超スリムなペン型の360°全天球カメラ「IQUI (イクイ)」を2020年10月1日に発売する。本体色はゴールドで、価格は29,800円 (税別)。USBコネクター、簡易スタンド、USB-Cケーブル、専用ケースが付属する。

<2020.9.30>
発売日が2020年10月15日に延期された。「IQUI」と連携するスマートフォン用アプリ「IQUISPIN」に関して、スマートフォンの最新OSへの対応を確実にするため。

 

ベクノス IQUI

 

「IQUI」は、2020年3月10日に開発発表が行われ、2020年内に発売予定と告知されていた、ベクノスの第一弾となる製品。対応するスマートフォン用無料アプリ「IQUISPIN (イクイスピン)」は2020年8月28日に公開されており、「IQUISPIN」を使って作成したショートビデオを募集する「マイファーストIQUISPINコンテスト」(2020年9月30日締切) では、賞品として「IQUI」が50名に贈られるなど、「IQUI」の発売に先行してPRが展開されている。

■ベクノス新商品ワールドプレミア発表会

2020年9月16日に開催された「ベクノス新商品ワールドプレミア発表会」では、リコーの代表取締役 社長執行役員・CEOの山下良則氏とベクノス代表取締役・CEOの生方秀直氏が出席して行われ、リコーの新規事業についての考え方や「IQUI」開発の裏話が披露された。

 

生方氏によると、開発発表をした3月には、すでに新型コロナウイルスの感染拡大により技術者の往来ができなくなっており、「IQUI」量産化、ソフト開発、マーケティングなどをフルリモートで行ったのだという。また、東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせる予定でいたが、延期になったことでソフトウェアのさらなる作り込みができたといったことも紹介された。

ベクノス IQUI
スマートフォン用アプリ「IQUISPIN」を紹介する生方秀直CEO。

 

なお「IQUI」は、日本をはじめ中国・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランスの6か国で販売を開始する。6か国で、世界の主要なマーケットをほぼカバーすることができるというのが理由だ。日本ではAmazonでの販売と、最新ガジェットが体験できるb8ta Tokyo – Yurakuchoとb8ta Tokyo – Shinjuku Marui、二子玉川 蔦屋家電での出品・販売から拡大していくとしている。

■スリム・コンパクトの極限を目指して開発

「IQUI」の基本設計思想は、“様々なライフスタイルに溶け込み、普段使いで楽しく全天球画像を楽しんでもらうこと”となっており、スリム・コンパクトの極限を目指して、側面に3つ、天面に1つの計4つのレンズからなる独自の光学系を新開発した。

ベクノス IQUI

ベクノス IQUI
側面に3つ、天面に1つのレンズが搭載されている。

 

携帯性だけでなく、手になじんで使いやすいデザイン、運びやすい質量も実現している。本体の操作部は、電源ボタン、シャッターボタン、写真/動画モード切り替えボタンの3つだけとなっており、シンプルで誰でも簡単に使える操作性を実現する。

ベクノス IQUI

ベクノス IQUI
操作ボタンは電源ボタン、シャッターボタン (上の写真)、写真/動画モード切り替えボタン (下の写真) の3つだけ。

■アクセサリー

「IQUI」の付属品として、 USBコネクター、簡易スタンドが用意されており、2つを組み合わせて使うことでIQUIをテーブルなどに立てての撮影が可能だ。

ベクノス IQUI

ベクノス IQUI
簡易スタンドに立てて充電、撮影ができる。

 

また、別売のバッテリーチャージャーケース「BCC-1」を使えば、「IQUI」を収納して持ち運びながらの充電が可能となる。「BCC-1」をフル充電状態にしておけば、「IQUI」本体2回分以上の充電ができる。価格は8,800円 (税別) で、2020年11月発売予定。

ベクノス IQUI
「BCC-1」のフタを開けると「IQUI」がポップアップする。

 

ベクノス IQUI
ケーブル端子を廃したスマートなデザインを採用しており、本体底面のコネクターから充電できる。

■スマートフォン用アプリ「IQUISPIN」

IQUISPIN」は、他メーカーのカメラで撮影した全天球写真にも対応する加工・編集アプリ。ショートビデオを簡単に作成することができるほか、「IQUI」で撮影した写真に動きをつける「モーション」や、ハートマーク・シャボン玉・花火などを写真に付加する「エフェクト」が搭載されている。

ベクノス IQUI

 

また、10月1日には「IQUI」の発売に合わせてバージョンアップが行われ、写真の色調を変更する「フィルター」機能が追加される。「IQUISPIN」で作成された正方形のMP4ショートビデオは、スマートフォンで楽しむだけでなく、SNSやメール、ショートメッセージなどを使って、手軽に共有することが可能となっている。

ベクノス IQUI
逆光補正が可能なフィルター機能「Reflector」の使用例 (右)。

 

 

Vecnos IQUI 主な仕様

撮影距離 約40cm~∞ (レンズ先端より)
撮影モード オート
露出制御モード プログラムAE
露出補正 なし
ISO感度 (標準出力感度) オート (ISO 100~1600)
ホワイトバランスモード オート
シャッタースピード 静止画 (オート) 1/60000秒~1/8秒、動画 (オート) 1/25000秒~1/30秒
記録媒体 内蔵メモリー 14.4GB
記録可能枚数・時間 (目安) 静止画 JPEG 約1500枚、動画 (1回の記録時間) 最大30秒、動画 (合計記録時間) 約30分 (30秒動画約60本)
電源 リチウムイオンバッテリー (内蔵、720mAh)
電池寿命 (目安) 静止画 約100枚、動画 合計約30分
サイズ レンズ部 φ19.7、グリップ部 φ16、全長139mm
質量 約60g
レンズ F2.5 (レンズ構成、撮像素子サイズ、有効画素数は非公開)
静止画解像度 5760×2880ピクセル (Stitching後)
動画解像度 / フレームレート / ビットレート 3840×1920 / 30fps / 約45Mbps (Stitching後)
マイク モノラル
音声/ビットレート iOS 128 kbps、Android 96 kbps
無線準拠規格 IEEE802.11 b/g/n (2.4GHzのみ)、Bluetooth v4.2 (Bluetooth low energy)
使用温度範囲 0℃~40℃
使用湿度範囲 90%以下
保存温度範囲 −20℃~60℃

 

 

〈文〉柴田 誠