ライカカメラジャパンは、高感度性能と動画性能を強化したフルサイズミラーレスカメラ「ライカ SL2-S」を2020年12月17日に発売する。価格は693,000円 (税込)。
※2022年5月10日より価格が改定されたため記事内の価格を更新しました。 (税別 600,000円 → 税込 693,000円)。
■ライカSLシステムのコンセプトを継承
「ライカ SL2-S」は、撮像素子以外は「ライカ SL2」と同じ機能を備えており、操作性や高精細「EyeRes電子ビューファインダー」など、主要な機能をそのまま受け継いでいる。アクセサリーも「ライカ SL2」と共用となっており、堅牢なフルメタルのボディは、IP54レベルの防塵・防滴性能を備える。“Made in Germany”である点も変わっていない。外観は、ライカの赤いロゴはそのままだが、ペンタ部のLEICAの刻印はホワイトからブラックに変更されている。
■無制限連写が可能
新開発の有効約2400万画素裏面照射型フルサイズCMOSセンサーと画像処理エンジン LEICA MAESTRO III (ライカ・マエストロ・スリー) を採用する。バッファメモリーは大容量4GBを搭載し、JPEGでの連続撮影では9コマ/秒での連写が、メモリーカードに空き容量がある限り無制限に続けることができるようになった。
■マルチショット機能
撮像素子を動かすことで効率的に手ブレを補正する5軸ボディ内手ブレ補正機構 (補正効果 5.5段) を搭載する。これにより、ライカMレンズなどでも補正効果を得ることができる。また、センサーシフト方式の手ブレ補正技術を活用した「マルチショット」機能も搭載。連続撮影した8枚の画像を1枚に合成し、通常の4倍となる9600万画素の画像を生成することができる。
■ISO 100000の高感度
ボディ内手ブレ補正機能と最高ISO 100000の高感度性能、さらに高速オートフォーカスにより、光の状況を問わずに美しい描写が可能となっている。
■動画機能を強化
「ライカ SL2-S」は、動画機能にも優れている。60fps 4:2:2 10bit の動画をライカ独自のL-logで記録することができ、ビューイングLUTによりコントロールされた映像を確認しながらの撮影も可能だ。メモリーカードに空き容量がある限り、30分の時間制限なく動画の連続撮影ができる。
将来的には、高効率な圧縮形式のHEVCにも対応する予定となっている。HEVCで最大4K/60p 10bit記録が可能になることで、動画を1分のセグメントに分割して記録し、データロスを最小限に抑えることが可能になる。そのほか、波形モニター表示や追尾オートフォーカスなどの機能も、2021年春に提供予定のファームウェアアップデートで追加される予定だ。
■対応レンズ
レンズマウントは、Lマウントを採用する。豊富なラインナップを誇るSLレンズ、TLレンズ、さらにマウントアダプターを使用することでMレンズ、Sレンズ、Rレンズも使用することができる。また、Lマウントアライアンスのシグマ、パナソニックが提供する40種類以上のオートフォーカスレンズも使用可能。さらに、ライツ社のシネレンズにも対応している。
■ソフトウェア
「Capture One 21」と「Adobe Photoshop Lightroom Classic」によるテザー撮影に対応しており、パソコンから「ライカ SL2-S」をリモート操作して撮影することができる。また、購入特典として「Adobe Creative Cloud フォトプラン」の90日体験版を使うことができる。
ライカ SL2-S 主な仕様
有効画素数 2460万画素
撮像素子 35mmフルサイズCMOSセンサー
マウント ライカLマウント
ISO感度 ISO 50～100000
シャッター速度 1/8000秒～30分 (バルブ)
ファインダー 576万ドット 電子ビューファインダー (倍率 0.78倍)
画像モニター 3.2型 210万ドット タッチパネル液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I・UHS-II対応)
手ブレ補正 5軸ボディ内手ブレ補正機構 (補正効果 5.5段)
画像処理エンジン LEICA MAESTRO III
AF測距点 225点
材質 アルミニウムおよびマグネシウム (本体)、合成皮革 (外装)
防滴仕様 IEC60529のIP54相当
サイズ (幅×高さ×奥行き) 約146×107×83mm
質量 約850ｇ (バッテリーを除く) / 約931ｇ (バッテリーを含む)
〈文〉柴田 誠