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旭光学時代の貴重なカメラ設計図も展示「板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち」

東京・板橋区の歴史や 文化・自然に関する さまざまな資料を展示する「板橋区立郷土資料館」では、特別展「板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち」を2021年3月21日まで開催している。入場は無料。

板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち

 

本展は、2008年開催の「板橋と光学 -フィルム発祥の地 光学王国-」、2010年開催の「板橋と光学vol.2 -国産35ミリ一眼レフ誕生の地・板橋-」に続く展示となっている。

板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち
東京光学 (現トプコン) 展示コーナー

 

リコーイメージング (旧 旭光学工業) では、2016年1月に本社を大田区へ移転するまでの60年余り、板橋区の前野町に本社を構えて光学機器の開発設計の拠点としてきたことから、「板橋区立郷土資料館」の特別展の展示に協力。今回、初出展となる「アサヒフレックスIIA」や「アサヒペンタックス (AP)」の設計図などを貸し出し、展示している。

板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち
リコーイメージング展示コーナー。

 

板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち
「アサヒフレックスIIA」の設計図。

 

戦前の板橋・志村地域には、東京光学 (現トプコン) をはじめとする光学兵器の製造工場が集まり、測量用のレンズや銃に付ける照準眼鏡が製造されていた。戦後になると、それらの技術は双眼鏡やカメラのレンズ製造に転用。1965年頃には、日本の主要な精密機器出荷額の多くを板橋区が占め、戦後復興や高度経済成長を支えてきた。

国外での光学機器生産が増えると、付加価値の高い光学機器の製造に切り替わったが、現在も「光学の板橋」として地域を支える重要な産業分野となっている。今回の展示では、“いたばし”におけるカメラの歴史を学び、光に関する技術やその面白さを紹介している。

 

板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち
旭光学東京工場 (後の本社) でのカメラ製造風景などの写真展示。

 

板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち
旭光学時代の製品に加え、「PENTAX K-1 Mark II」などの現行製品も展示されている。

 

板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち
PENTAX K-1」のカットモデルやスケルトンも展示。

 

板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち
クラウドファンディングで話題を呼んだPENTAXの双眼鏡「VD 4×20 WP」と単眼鏡「VM 6×21 WP」も体験できる。

 

特別展「板橋と光学vol.3 いたばし産のカメラたち」

会期 2020年12月12日 (土) 〜2021年3月21日 (日)
会場 板橋区立郷土資料館 2階企画・特別展示室
住所 東京都板橋区赤塚5-35-25
時間 9:30〜17:00 (最終日は16:30まで)
休館日 月曜 (祝日の場合は開館し翌日休館)・12月28日〜1月4日
料金 無料
問い合わせ 板橋区立郷土資料館 (TEL 03-5998-0081)

 

 

 

〈文〉柴田 誠 〈写真提供〉リコーイメージング