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“ワン”の称号を持つ新次元のフルサイズミラーレス「ソニー α1」爆誕

ソニーは、フルサイズミラーレスカメラ「α1」を発表した。有効約5010万画素の高解像センサーを搭載し、AF/AE追従最高30枚/秒のブラックアウトフリー連続撮影を実現。また、αシリーズで初めて8K30pの動画撮影に対応する。発売は2021年3月19日で、価格はオープン。市場想定価格は税別800,000円前後。

ソニー α1
レンズは別売り

一瞬の動きを撮り逃さない

「α1」は、有効約5010万画素の新開発「積層型CMOSイメージセンサー Exmor RS」と従来比約8倍の処理性能をもつ画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載する。電子シャッター時で、AF/AE追従最高30枚/秒のブラックアウトフリー高速連写を実現。さまざまなシーンで、ブラックアウトで視野を遮られることなく被写体を肉眼で追い続けるように撮影することが可能となり、これまで撮り逃していた一瞬の動きをより確実に捉えることができる。30枚/秒連写では、圧縮RAWで約155枚、JPEG形式で約165枚の撮影が可能だ。

ソニー α1

また、最大120回/秒のAF/AE演算の実現により、スピードに緩急のあるような複雑な動きをする被写体でも高精度にAF追従し続けることができる。「α9 II」の2倍となるAF/AE演算の実現によるもので、急激な輝度の変化に対しても、最速0.033秒でAEが追従可能だ。

AF性能

撮像エリアの約92%をカバーするエリアに、759点の像面位相差AFセンサーを配置。被写体を高速・高精度に追随する。画像処理エンジン「BIONZ XR」により、検出能力は「α9 II」よりも30%向上しており、角度のある横顔や上向き、下向きの顔でも、高精度で自動的に瞳にフォーカスを合わせ続けることができるようになっている。

■瞳AFが鳥にも対応

動物への「瞳AF」は、従来の犬や猫などに加えて新たに鳥にも対応した。鳥特有の撮影条件でも高い追従性を実現するものとなっており、AIを用いて色や模様 (輝度)、被写体距離 (奥行) からなる空間情報をリアルタイムに高速処理し、動体を高精度に追従し続けるリアルタイムトラッキングにも対応。リアルタイム瞳AFとシームレスに使用可能だ。ただし、動画撮影時の「リアルタイム瞳AF」は、動物と鳥には対応していない。

ソニー α1

広ダイナミックレンジ

有効約5010万画素の高解像ながら、低感度時は約15ストップの広いダイナミックレンジを実現する。拡張ISO50-102400の広い感度域を実現しており、暗所や薄暗い場所での撮影でもノイズの少ない高精細な描写が可能だ。

5.5段の光学式5軸手ブレ補正

高精度な手ブレ補正ユニットとジャイロセンサーを搭載しており、さらに手ブレ補正アルゴリズムの最適化を行うことで、5.5段の補正効果を実現した。動画撮影時には、「光学式5軸手ブレ補正アクティブモード」により、手持ち撮影を強力にサポートする。

■ピクセルシフトマルチ撮影が進化

「ピクセルシフトマルチ撮影」がさらに進化。ボディ内手ブレ補正機能を高精度に制御して撮影した複数の画像をパソコン上で合成することで極めて高い解像感を持つ画像を生成するもので、計16枚の画像の約7億9626万画素分の情報から、約1億9900万画素 (17,280×11,520) の画像生成が可能となっている。1/200秒のフラッシュ同調速度の使用が可能で、ブレを抑えたり、明るい屋内で美術品や物撮り撮影でも使用できる。

シャッター

■動体歪みを抑えた電子シャッター

イメージセンサーからの高速読み出しに加え、大容量バッファメモリーと「BIONZ XR」の高速処理性能により、電子シャッターでも「α9 II」比で約1.5倍、動体歪みを抑えた静止画撮影が可能となっており、無音・無振動で、高画質に撮影することができる。さらに最高1/32000秒のシャッター速度も実現。高輝度環境に柔軟に対応できるなど、撮影領域をさらに広げてくれる。

■電子シャッターでフリッカーレス撮影が可能

イメージセンサーの高速読み出しにより、電子シャッターでのフリッカーレス撮影を世界で初めて実現。照明環境を気にすることなく電子シャッターならではの機能を使うことができる。また電子シャッター使用時でも1/200秒の同調速によるフラッシュ撮影に、αシリーズで初めて対応した。

■デュアル駆動式シャッター

メカシャッター時は、世界で初めてフラッシュ同調速度1/400秒を実現する。新開発の「デュアル駆動式シャッター」は、バネと電磁駆動アクチュエーターの両方の力を利用し、カーボンファイバー製のシャッターカーテンを用いることで、高い堅牢性と軽量化の両立を実現している。

操作性

■電子ビューファインダー

約944万ドット・大型0.64型有機ELディスプレイを採用する電子ビューファインダーは、周辺部までシャープな接眼レンズ光学設計により、すみずみまで高い視認性を実現する。世界初となる240fpsでの表示が可能となっており、最高30枚/秒の高速連写時にもシームレスに被写体を捉えることができる。ファインダー倍率は0.90倍 (対角視野角 約41°)、約25mmのハイアイポイントで、「BIONZ XR」と電子ビューファインダーの高速処理性能により、被写体の動きをより滑らかに表示でき、動体撮影時にも被写体を追従しやすいものとなっている。

ソニー α1

■背面液晶モニター

約144万ドット・高精細3.0型のチルト可動式大画面液晶モニターで、タッチ操作が可能。メニュー構成は、画面の一覧性と直観的な操作性が向上し、静止画・動画で別設定が可能だ。また、同じ撮影シーンで解像度を変えることなくフルサイズ/APS-Cフォーマットをシームレスに切り替えができる (JPEG/HEIFのみ、画像サイズ M/S時)。

ソニー α1

■CFexpress Type AとSDに対応

カードスロットは、CFexpress Type AカードとSDXC/ SDHCカード両方に対応したスロットを2基搭載する。トップカバーやフロントカバー、内部フレーム、リアカバーなどには、軽量で高剛性のマグネシウム合金を使用。また、高容量のZバッテリー (NP-FZ100) に加え、バッテリー2個を搭載可能な縦位置グリップ「VG-C4EM」の装着が可能だ。USB Power Deliveryにも対応し、給電と高速充電を実現する。

ソニー α1
端子類
ソニー α1
縦位置グリップ「VG-C4EM」とフラッシュ「HVL-F60RM」装着イメージ

堅牢性

フィールドでの使用を想定した、センサークリーニング機能と防塵防滴に配慮した設計となっており、イメージセンサー上のホコリ除去性能を向上した「アンチダストシステム」と電源オフ時のシャッタークローズ機能に対応する。シャッターは、約50万回の高耐久メカシャッターを搭載。耐久性や汎用性の高いHDMI Type-A端子を採用している。

■放熱設計

撮影中の温度上昇を抑制するために、イメージセンサーから画像処理エンジン、各種回路設計すべてにおいて細やかな制御を行い、低消費電力を実現する。また、カメラの内部構造やパーツを新たに設計し、イメージセンサーや画像処理エンジンの駆動に伴う熱を効果的に分散し放熱させることで、約30分の高精細8K30p動画記録を可能にした。

多彩なフォーマットに対応

ロスレス圧縮RAWに新たに対応したのに加え、より滑らかに階調を再現する10bit記録の静止画記録フォーマットHEIF (High Efficiency Image Format) にも対応。また、JPEG・HEIF形式での記録時には、「標準」よりもファイルサイズを優先する「ライト」を画質設定に追加した。任意の構図とアスペクト比の変更ができる「本体内トリミング」にも対応する。

高精細8K30pの動画性能

αシリーズとして初めて、8K30pの動画撮影に対応する。8.6KオーバーサンプリングによるXAVC HS方式となっている。さらに、最大120pのハイフレームレート映像を高精細4K解像度でカメラ内部に記録可能。4:2:2 10bitのサンプリングにも対応しており、カラーグレーディング時の微細な階調・色調整にも対応する。

画質面では、映像制作用CineAltaカメラ「VENICE」の開発を通じて培った画作りS-Cinetone (エスシネトーン) を搭載。人肌の中間色の表現力を高め、色あいはよりソフトに、ハイライトの描写は被写体を美しく際立たせる自然なトーンで撮影が可能だ。

S-Log3/S-Gamut3にも対応し、業務用カメラとの高い親和性を実現する。画素加算のない全画素読出し5.8Kによるオーバーサンプリング4K (Super35mm) 記録に対応しており、カメラから対応機器への16bit RAW映像の出力がHDMIケーブル経由で可能。また、高音質録音が可能なデジタルオーディオインターフェースに対応したマルチインターフェースシューを搭載し、XLRアダプターキット「XLR-K3M」との組み合わせでは4CHや24bitでの音声収録を実現する。

アプリケーション連携

モバイル機器によるリモート撮影や静止画・動画の転送などを行うアプリケーション「Imaging Edge Mobile」、静止画納品ワークフローを高速化するプロ向けモバイルアプリケーション「Transfer & Tagging add-on」、リモート撮影をサポートするデスクトップアプリケーション「Remote Camera Tool」など、カメラの拡張性を引き出す撮影・映像制作ソフトウェアソリューションとの連携が強化されている。

ソニー α1
同時発表されたスマートフォン「Xperia PRO」を活用した撮影シーン

先行展示

ソニーショールーム / ソニーストア銀座、ソニーストア札幌、ソニーストア名古屋、ソニーストア大阪、ソニーストア福岡天神では、2021年1月29日から「α1」の先行展示を予定している。体験は予約制。

SONY α1 主な仕様

型名 ILCE-1
有効画素数 約5010万画素
撮像素子 35mmフルサイズ (35.9×24.0mm) Exmor RS CMOSセンサー
マウント ソニーEマウント
ISO感度 ISO 100〜32000 (拡張:下限 ISO 50、上限 ISO 102400)
シャッター速度 静止画撮影時 1/8000〜30秒 (メカシャッター)、1/32000〜30秒 (電子シャッター)
ファインダー 0.64型 9,437,184ドット 約0.90倍 電子式ビューファインダー (有機EL)
画像モニター 3.0型 1,440,000ドット タッチパネルTFT液晶モニター (上約107°/ 下約41°チルト)
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I/II対応)、CFexpress Type Aカード
サイズ (幅×高さ×奥行き) 約128.9×96.9×80.8mm
質量 約652g (本体のみ) / 約737g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 リチャージャブルバッテリーパック NP-FZ100、バッテリーチャージャー BC-QZ1、電源コード、ケーブルプロテクター、ショルダーストラップ、ボディキャップ、アクセサリーシューキャップ、アイピースカップ、USB-A – USB-Cケーブル (USB 3.2)

 

 

〈文〉柴田 誠