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磁力で高精度にピントを合わせる広角レンズ「ライカ アポ・ズミクロン SL f2/28mm ASPH.」

ライカカメラ社は、ライカLマウントの広角レンズ「ライカ アポ・ズミクロン SL f2/28mm ASPH.」を2021年2月27日に発売する。35mm / 50mm / 75mm / 90mmの焦点距離をラインナップする「アポ・ズミクロン SL」シリーズに、本格的な広角レンズが加わることになる。価格は600,000円 (税別)。

ライカ アポ・ズミクロン SL f2/28mm ASPH.

■光学性能

レンズ構成は10群13枚で、そのうち3枚に両面非球面レンズを採用する。肌の自然な階調表現、シャープな部分からのなめらかなボケ効果、細部まで高コントラストで周辺部まで歪曲収差がないくっきりシャープな画質という、ライカレンズならではの描写を実現した。絞り開放時にも優れた描写性能を発揮する。

ライカ アポ・ズミクロン SL f2/28mm ASPH.

■アポクロマート補正

さらに、焦点距離28mmのレンズでアポクロマート補正を施していることも大きな特徴の一つ。光学系を構成するレンズ群の大部分に異常部分分散特性を持った高品質な特殊ガラスを採用し、色収差をほぼ認識できないレベルにまで低減する。精巧な構造のレンズには、ライカの革新的な製造技術が注ぎ込まれている。

■フォーカス性能

オートフォーカス機構には、DSD (Dual Syncro Drive = デュアル シンクロ ドライブ) を採用した、高性能で耐久性に優れたステッピングモーターを搭載。これにより、約0.25秒の高速オートフォーカスを実現する。

マニュアルフォーカスを行うためのフォーカスリングは、磁極を反転させることができるリング状の磁石を搭載した独特の構造と仕組みを採用する。フォーカスリングを回すと、この磁石の磁極が反転し、それをセンサーが検知してその情報をメインプロセッサーに伝達、その情報からフォーカスリングの回転量と速度に基づいてピントの位置を調節する仕組みだ。これにより、非常に高速かつ高精度なマニュアルフォーカスが可能となっている。

■軽量化と堅牢性

精度の高い製造方法と計測技術を採用し、コンパクト化と大幅な軽量化、描写性能の向上を実現した。レンズの表面には上質なコーティングを施し、反射を極限まで抑えている。また、水滴やホコリの侵入を効果的に防ぐシーリングを採用。フロントレンズの表面に「ライカ アクアデュラ」コーティングを施すなど、堅牢な設計で耐久性の高いレンズに仕上がっている。

ライカ アポ・ズミクロン SL f2/28mm ASPH.
ライカ SL2-S」装着イメージ

 

ライカ アポ・ズミクロンSL f2/28mm ASPH. 主な仕様

マウント ライカLバヨネット
焦点距離 28mm
開放絞り F2
最小絞り F22
レンズ構成 10群13枚 (非球面レンズ3枚6面)
画角 (対角線 / 水平 / 垂直) 75.4°/ 65.5°/ 46.4°
最短撮影距離 0.24m
最大撮影倍率 1 : 5
フィルターサイズ E67
サイズ (最大径×長さ) 約φ73×102mm (レンズフードを除く)
質量 700g (レンズフードを除く)
付属品 レンズフード (スクリュータイプ)

 

 

〈文〉柴田 誠