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建物や人々の存在が味わい深い東京のスナップ写真集『路上の温度計 1997-2004』

大西みつぐさんの写真集『路上の温度計 1997-2004』が発売された。

大西みつぐ写真集『路上の温度計 1997-2004』

 

刻々と変貌する東京の中で、下町には昔ながらの風景が残っている。そこに集う人たちも今に生きながら、昔の気配を色濃く漂わせているようだ。

大西さんは街を歩き、そんな人や風景を探し当ててスナップした。捉えているのはハプニングの決定的瞬間などではなく、不思議な可笑しみを感じさせる場の気配である。決して歴史には残ることのない建物や人々の存在が深い味わいをもたらす。

 

大西みつぐ写真集『路上の温度計 1997-2004』
200×200mm・120ページ
4,500円(税込)
2021年3月0発売
禅フォトギャラリー

 

〈文〉市井康延