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8つの半島を旅して日本の原風景を活写した 公文健太郎写真集『光の地形』

公文健太郎さんが写真集『光の地形』を上梓した。

公文健太郎『光の地形』

 

東日本大震災をきっかけに、公文さんは自分が暮らす日本を改めて知りたくなり、日本全国を巡り始めた。北海道から九州にある8つの半島を旅し、その土地で生きる人たちの生活を垣間見た。

海岸沿いを歩くと、日本が島国であることを改めて実感する。佐田岬半島ではみかん農家や漁師、紀伊半島の田辺市では備長炭を作る炭焼職人、北海道の亀田半島では馬喰に会った。それは自然を敬い、畏れつつ、その恵みをいただいて生きてきた日本の原風景ともいえる。

この写真集では暗部を強調することで、風景に奥行きが生まれ、被写体の存在感が増している。その土地で生をつなぎ続ける人々への高らかな讃歌だ。

 

公文健太郎『光の地形』
A4判変型・160ページ
6,380円(税込)
2020年12月18日発売
平凡社

 

〈文〉市井康延