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レトロモダンなミラーレス「ニコン Z fc」に触ってきた! 往年の名機「FM2」をオマージュしたデザイン

ニコンイメージングジャパンは、APS-Cサイズ (ニコンDXフォーマット) のミラーレスカメラ「ニコン Z fc」を2021年7月下旬に発売する。ボディカラーはシルバーのみで、価格はオープン。市場想定価格はボディ単体が約13万円 (税込)。

<2023.2.8> ブラックモデルが2023年3月3日発売。
<2021.9.10> 「Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット」の発売日が2021年10月1日発売に決定。
<2021.7.20> 発売日が2021年7月23日に決定。ただし「Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット」は発売が延期された。

ニコン Z fc

 

フィルム一眼レフカメラ「ニコン FM2」(1982年発売) の要素を取り込んだデザインを採用し、サイズやダイヤルの位置なども「FM2」に近いものとなっている。

ニコン Z fc & FM2

ニコン Z fc & FM2

ニコン Z fc & FM2
左が「Z fc」、右が「FM2」

■ネーミングの意味は?

「Z fc」の「f」は、ニコンのフィルムカメラに使われていた「f」とダイヤル操作がもたらす精密機器としての感触や、Zマウントシステムならではの高画質の「融合」を表す「fusion (フュージョン)」の「f」を意味する。さらに、撮影をより「casual (カジュアル)」に楽しんでもらいたいという想いから「c」を組み合わせて名付けられたものだ。

ニコン Z fc

■ダイヤル操作が楽しめる操作性

ボディ上面には、シャッタースピード、露出補正、ISO感度の3つのダイヤルが設けられており、シャッターボタンの手前には、絞り表示パネルが設置されている。

ニコン Z fc

撮影の4つの要素がひと目で確認でき、フィルムカメラのようなシンプルな操作で設定変更が可能で、クリック感のあるダイヤル操作が楽しめる。丸型の接眼目当ても「FM2」を彷彿とさせるデザインだ。

ニコン Z fc

また、Zシリーズで初めて、撮影モード「AUTO」時の露出補正が可能になっている。質量は約445g (バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)。「FM2」の約540g (ボディのみ) よりも軽いボディとなっており、軽快なスナップショットに向いたミラーレスカメラといった印象だ。

ニコン Z fc 16-50 VR SLレンズキット

背面には、撮影スタイルに合わせて設定をワンタッチで変更できる「iボタン」が設けられている。電子ビューファインダー (EVF) は、有機ELパネルを採用する。

ニコン Z fc

背面の液晶モニターは、タッチパネルを採用したバリアングル式の3.0型TFT液晶モニターで、反転させると画面モニターを見えない状態に収納することができる。

ニコン Z fc

また、液晶モニターをカメラ前面に向けると「自分撮りモード」に自動で切り換わる。

ニコン Z fc

記録メディアはSDメモリーカードを採用する。カードスロットは1スロットで、バッテリーボックスの中に設けられている。

ニコン Z fc

■「瞳AF」「動物AF」対応のAF機能

フォーカスポイントは209点 (静止画モード、撮像範囲DX、シングルポイントAF時) を採用しており、静止画・動画を問わず、人物やペットの瞳にピントを合わせる「瞳AF」「動物AF」を搭載する。また「ワイドエリアAF」により、広い範囲で顔や瞳を確実に捉えることができ、画面内に複数の人物や動物がいる場合でも、狙った人物の瞳や動き回るペットの瞳にピントを合わせ続けることができる。

■「SnapBridge」に対応

スマートフォンやタブレットとシームレスに接続するアプリ「SnapBridge」に対応する。カメラで撮影した静止画・動画を転送することができ、SNSでの画像や動画の共有も簡単にできる。

最新のVer.2.8では、新たに「フォアグラウンドモード」と「バックグラウンドモード」の2つの自動連携モードを搭載。「フォアグラウンドモード」ではアプリ使用時のみカメラと通信状態になるため、カメラのバッテリー消費を軽減できる。また「バックグラウンドモード」では従来通りの常時通信となり、スマートデバイスがスリープ状態でも撮影画像の自動転送が可能だ。

■その他の機能

カメラをWEBカメラとして使用可能にする「Webcam Utility」に対応するほか、従来のUSB充電に加えて、電源ON時のUSB給電にも対応した。

ニコン Z fc
上からHDMI端子、USB端子、外部マイク入力端子。HDMI端子とUSB端子の間にチャージLEDがある。

レンズキット

キットレンズは、ボディと同色の「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」シルバーを同梱したものと、「FM2」発売当時のNIKKORレンズにインスパイアされた、ボディのデザインにマッチする「NIKKOR Z 28mm f/2.8 (SE)」を同梱した2種類が用意されている。

■Z fc 16-50 VR SL レンズキット

標準ズームレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」の新色シルバーが付属する。価格はオープンで、市場想定価格は約15万円 (税込)。2021年7月下旬発売予定。

ニコン Z fc 16-50 VR SLレンズキット

■Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット

広角単焦点レンズ「NIKKOR Z 28mm f/2.8 (SE)」が付属する。価格はオープンで、市場想定価格は約16万円 (税込)。2021年7月下旬発売予定。

ニコン Z fc 28mm f/2.8 Special Edition キット

プレミアムエクステリア

ボディの人工皮革部分を全6色の「プレミアムエクステリア」に変更できる。エクステリアはホワイト、ナチュラルグレー、サンドベージュ、コーラルピンク、ミントグリーン、アンバーブラウンから選択可能。張替サービス料は4,950円 (税込)。

ニコン Z fc プレミアムエクステリア

公式オンラインショップのニコンダイレクトでは、「Z fc」ボディと各レンズキットを「プレミアムエクステリア」に変更したモデルもニコンイメージング会員限定で販売する。

アクセサリー

「Z fc」をしっかりホールドできるアルミニウム製の軽量なエクステンショングリップ「Z fc-GR1」も2021年7月下旬発売予定。ボディと一体感のあるデザインで、装着した状態でもバッテリー、記録メディアの交換が可能だ。希望小売価格は18,700円 (税込)。

ニコン Z fc用エクステンショングリップ Z fc-GR1

ニコン Z fc + エクステンショングリップ Z fc-GR1
装着例

ニコン Z fc 主な仕様

有効画素数 2088万画素
撮像素子 23.5×15.7mmサイズCMOSセンサー (ニコンDXフォーマット)
マウント ニコンZマウント
ISO感度 ISO 100~51200 (拡張 ISO 204800相当)
シャッター速度 1/4000~30秒
ファインダー  0.39型 約236万ドット OLED (有機EL) 電子ビューファインダー (倍率 約1.02倍)
画像モニター 3.0型 約104万ドット バリアングル式TFT液晶モニター (タッチパネル)
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I対応)
大きさ (幅×高さ×奥行き)  約134.5×93.5×43.5mm
質量 約390g (本体のみ) / 約445g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL25、バッテリーチャージャー MH-32、ストラップ AN-DC23、ボディーキャップ BF-N1、接眼目当て DK-32

 

〈写真〉青柳敏史・柴田 誠