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フラットに「女性」を描いた自然なヌード表現 珠かな子・写真集『肌に降る七星』刊行

写真家・モデルとして活動する珠かな子が、写真集『肌に降る七星』を刊行する。被写体に迎えたのは七菜乃で、裸身をひとつの衣装と考える“特殊モデル”であり、“女体愛好家”として自らも女性たちを撮影する写真家でもある。

珠かな子は、『魔女の系譜』(玄光社刊)などの作品で知られる写真家・村田兼一のモデルを端緒として、写真家としての活動にも注力してきた。今回は、互いにモデルと写真家を行き来するふたりの「気が置けない仲だからこそ生まれ得た」という一冊に仕上がった。

 

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本の帯に踊る「日差しを浴びてその肌は、小さな星屑がスパークするかのようにきらめいていた。」の一文を感じ取りたい。

村田兼一と、アートや文学・映画・ダンスなど、さまざまなジャンルを横断するテーママガジン『トーキングヘッズ叢書』編集長の沙月樹京が、本書に寄せたコメントは下記の通り。

 

村田兼一「今回の作品を見て思うのは、少女性に捉われず、フラットに『女性』を描いているということだ。小道具はごく限られ、モデルさんに上質な裸体を着せるが如く気品を纏わせている。

それは七菜乃さんのモデルとしての実力が大きく寄与しているが、珠さんがギミックを使わずに素のままでモデルと対峙し、力強さとアウラを引き出し、ごく自然なヌードを切り取る技量を身に着けたことは確かである。

彼女が10年悩み続け、撮り続けて得た結実をここに見る。そこには少女をも内包する女性の姿があった」

沙月樹京「モデルに生まれつき素に備わった原初の力がもっとも純粋に写し出される状態として、珠の『はだか』はある。

七菜乃の放つ原初の力と、その『蜜』を漏らさず受け止めようとする珠の視線、さらにそれによって浮き彫りにされる素の『はだか』にあなたは何を感じ取るだろう」

珠かな子について

1988年、大阪市生まれ。2012年に個展「玉手厘」を神保町画廊で開催してデビュー 。2019年には写真集『いまは、まだ見えない彗星』を出版(アトリエサード刊)。

 

 

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【書誌情報】
珠かな子 写真集「肌に降る七星」
モデル:七菜乃

発売日:2021年8月27日
B5判・カバー装・80頁・税込2750円
発行:アトリエサード http://www.a-third.com/
発売:書苑新社
ISBN:978-4-88375-446-5
詳細・通販 http://athird.cart.fc2.com/ca2/325/p-r7-s/