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1970年代に撮影した風景は色合いも懐かしい 北井一夫写真集『COLOR いつか見た風景』

北井一夫さんが写真集『COLOR いつか見た風景』を上梓した。

北井一夫『COLOR いつか見た風景』

■収録作品ギャラリー

 

モノクロームの印象が強い北井さんだが、早い時期からカラーでの撮影も行なってきた。「1970年代に入るとほとんどの雑誌がカラー写真になった」と話す。

本書は雑誌に掲載された日本の風景と、フランスの旅からセレクトした。撮影年や撮影地などはなく、北井さんがかつて見た風景が提示されていく。食堂で食事をする少女や畑仕事を行なう農民の姿など、これらの写真は当時どう見えたのだろうか。アジアの人々が共通して持つ佇まいを今は強く感じてしまう。

フランスでも同じ視点が注がれ、観光地とは違う街の日常を見つめている。昔の家並みがそのまま残された街ではあるが、やはり古めかしく感じるのはそこに居る人たちの存在が影響しているからだろう。

 

北井一夫『COLOR いつか見た風景』

235×235mm・88ページ
3,850円(税込)
2021年8月25日発売
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〈文〉市井康延