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不思議な風習を持つアパタニ族とは? 榎並悦子写真集『APATANI STYLE』

榎並悦子さんが写真集『APATANI STYLE』を上梓した。

榎並悦子写真集『APATANI STYLE』

■収録作品ギャラリー

 

インド北東部に不思議な部族が住んでいる。女性が鼻の穴を大きな黒い栓で塞ぐ風習のあるアパタニ族だ。榎並さんは5年ほど前にネットで彼らを知り、調べ始めたという。

彼らは独自の精霊信仰を持ち、独創的で優れた水稲栽培を実践し、豊かな生活を送っている。家には囲炉裏があり、豚肉を長時間かけて乾燥させる調理法もあるそうだ。作者は日々の暮らし、祭り、信仰など、部族の姿を丹念に撮影した。辺境の生活の中にも欧米文化が入り始め、変化の兆しも写し込まれている。見応えある貴重な記録である。

 

榎並悦子『APATANI STYLE』

A4判・216ページ
4,400円(税込)
2021年10月20日発売
光村推古書院

 

榎並悦子

榎並悦子 (Etsuko Enami)
京都市・西陣に生まれる。大阪芸術大学写真学科卒業後、岩宮武二写真事務所を経てフリーランス となる。「一期一会」の出会いを大切に、人物や自然、風習、高齢化問題など、幅広いフィールドをしなやかな視線で捉え続けている。近著に『光の記憶 見えなく て見えるもの – 視覚障害を生きる』などがある。アメリカに暮らす小人症の人々を取材した写真集『Little People』で第37回講談社出版文化賞写真賞受賞。
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〈文〉市井康延