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仏像に命を吹き込む修復の取り組みを記録した 千代田路子写真集『五百羅漢修復 祈りの継承』

千代田路子さんが写真集『五百羅漢修復 祈りの継承』を上梓した。江戸時代の仏師・松雲元慶が彫刻した「五百羅漢像」の修復に取り組む修復家・長井武志さんの姿を記録したものだ。

千代田路子『五百羅漢修復 祈りの継承』

■内容をチラ見できます

 

仏像はおよそ100年周期で修理が施され、修復家は原初の姿を想像しながら像を清掃し処置していく。五百羅漢像は当時の人とほぼ同じ座高で作られており、その身体に手を入れる修復家の姿は命を吹き込むかのような崇高さを漂わせる。仏像の内側には彫像した松雲元慶の手による鑿跡が残されている。

写真集ではモノクロとカラーを使い分け、可視化できない気配を手繰り寄せる。

千代田路子『五百羅漢修復 祈りの継承』

体裁 280×200mm・100ページ
価格 4,000円(税込)
発売日 2021年12月20日
発行元 りぼん舎

 

千代田路子 (Michiko Chiyoda)

大学ではグラフィックデザインを専攻、同時に写真を学ぶ。卒業後は広告代理店にデザイナーとして就職。その後、光学メーカーの広報宣伝部門への転職を機に、本格的に写真による作品づくりを始める。個展やグループ展を通じて国内外で作品を発表。伝統芸能やアーティストの活動記録も行っている。
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〈文〉市井康延