善本喜一郎さんの写真集『東京DEEPタイムスリップ 1984⇔2022』が発売された。
■収録作品ギャラリー
見慣れた場所でも、ある日突然、更地になるとそこに何があったのか思い出せず、写真に残しておけばよかったと思ったことがある。この本はそんな写真の宝庫だ。かつての何げない街の姿から、忘れていた思い出が引き出されることもある。だから多くの人を魅了するのだろう。
2021年に出版された『東京タイムスリップ 1984⇔2021』は、発売7か月で1万部を超すヒット。そこで早速、続編が刊行された。新宿や渋谷を中心に自由が丘、浜松町、四ツ谷など新たな街角を加えて、時空を超えた旅を提供する。
1984年の渋谷のんべい横丁の道では今では信じられないような光景が記録されていたり、高層ビルが林立する大崎駅西口が人通りの少ない工場地帯だったりなんて事実も明らかになる。並べて見せることで浮き上がる違いが顕著で面白い。
善本喜一郎『東京DEEPタイムスリップ 1984⇔2022』
体裁 A4判変型・128ページ
価格 2,000円(税込)
発売日 2022年3月15日
発行元 河出書房新社
善本喜一郎 (Kiichiro Yoshimoto)
1960年、東京生まれ。森山大道や深瀬昌久に学ぶ。1983年に『平凡パンチ』特約フォトグラファーとなり、表紙やグラビアなどを撮影。現在は雑誌や広告の世界で活躍中。宣伝会議や事業構想大学院大学などで講師も務める。公益社団法人 日本広告写真家協会 (APA) 専務理事、日本写真著作権協会理事。
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〈文〉市井康延