ニコンイメージングジャパンは、フルサイズ (FXフォーマット) に対応するニコンZマウントの超望遠単焦点レンズ「NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S」を2022年7月15日に発売する。希望小売価格は500,500円 (税込)。
■コンパクト設計
クラス最軽量の1160g (三脚座を除く)、全長約234.5mmの軽量コンパクトなボディを実現。1.4倍テレコンバーターを内蔵した「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」(約2950g) の半分以下の重さになっている。また、レンズの重心をボディ側に寄せた重量バランスとなっており、レンズの重さを気にすることなく、焦点距離400mmの超望遠撮影を手持ちで行うことができる。
■光学性能
レンズはEDレンズ1枚、スーパーEDレンズ2枚、SRレンズ1枚を含む13群19枚構成。ナノクリスタルコートを採用し、最前面のレンズ面にはフッ素コートが施されている。絞り開放から画像全域で色にじみを徹底的に抑制しており、S-Lineのレンズならではの高い解像力と、単焦点ならではの柔らかく大きなボケ、立体感のあるクリアな描写を実現する。
撮像範囲をDXフォーマット (APS-Cサイズ) に設定すると、焦点距離600mm相当の画角で撮影が可能。別売のテレコンバーター「Z TELECONVERTER TC-1.4x / TC-2.0x」を装着することで、焦点距離をそれぞれ560mm / 800mmまで拡大できる。さらに「Z 9」との組み合わせでは、動画から切り出すことで920mm相当の画角で撮影した画像を得ることができる。
■5.5段の手ブレ補正VR機構
レンズシフト方式の手ブレ補正VR機構を内蔵し、NIKKORレンズ史上最高レベルの補正効果5.5段を発揮する。また、シンクロVR対応カメラとの組み合わせでは、カメラボディ内のセンサーシフト方式VRとレンズ内のレンズシフト方式VRが連動する「シンクロVR」が適用され、より高い6.0段の補正効果を得ることができるようになっている。手ブレの影響を受けやすい望遠撮影や光量の少ないシーンでも、快適な手持ち撮影を強力にサポートし、安心した撮影が可能だ。
連続撮影時のファインダー像が安定する[SPORT]モードを搭載しており、動きの速い被写体や動きの変化が激しいシーンの撮影でも被写体を追いやすくなっている。また、露光直前にVR光学系が動いて光軸の中心に戻る「露光前センタリング」が起こらないため、構図が変化することがなく、意図した構図で撮影できる。
■AF性能
STM (ステッピングモーター) を採用し、高速・高性能で静寂なAF駆動を実現する。静音性に優れるだけでなく、フォーカス時の画角変化 (フォーカスブリージング) の抑制や露出の安定化など動画撮影に配慮した設計となっている。
メモリーセットボタンでピント位置を登録し、「フォーカス位置の呼び出し」を割り当てたボタンを押すことで、登録したピント位置に瞬時に合わせることが可能な「メモリーリコール」機能を搭載する。なお「メモリーリコール」機能は、発売時「Z 9」「Z 7II」「Z 6II」「Z 30」の4機種に対応予定で、カメラ本体のファームウェアを最新版にバージョンアップする必要があるとのこと。そのほか一部の機種については、今後のファームウェアアップデートにて対応する。
■防塵・防滴
鏡筒の可動部分をはじめとして、随所にシーリングを施し高い防塵・防滴性能を確保。レンズマウントゴムリングを採用し、レンズ最前面にはフッ素コートも採用する。
NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S 主な仕様
マウント ニコンZマウント
焦点距離 400mm
レンズ構成 13群19枚 (EDレンズ1枚、スーパーEDレンズ2枚、SRレンズ1枚)
画角 6°10′(撮像範囲FX) / 4°(撮像範囲DX)
最大絞り F4.5
最小絞り F32
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 2.5m
最大撮影倍率 0.16倍
フィルター径 φ95mm
最大径×長さ 約φ104×234.5mm
質量 約1160g (三脚座なし) / 約1245g (三脚座を含む)
付属品 レンズキャップ LC-95B、裏ぶた LF-N1、レンズフード HB-105、レンズケース CL-C5