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【2022ベストバイ】内面反射を防止する「真・黒色無双」が笑っちゃうほど黒すぎた

世界的に波乱の年だった2022年。2023年こそは明るく楽しい写真ライフが実現できることを願って、プロ写真家の皆さんに「2022年に買ってよかったモノ」を一斉調査しました。さあ、どんなアイテムが出てくるかな?

増田賢一さんの2022ベストバイ「光陽オリエントジャパン 真・黒色無双」

【2022ベストバイ】増田賢一さん
左が「真・黒色無双」のボトル。中央が内面塗装済みのマウントアダプターで、右が未塗装のマウントアダプター。深く説明する必要もないほど一目瞭然。

最近のマウントアダプターなどは内面処理が物足りない

ミラーレスになって手元に増えたモノといえばマウントアダプター。格安の製品からAFまで可能な高価な製品までいろいろあるが、取りあえず付けてどう写るか試してみたいっていう気持ちが大きい。

そのせいでウチには数々の格安マウントアダプターがあるが、いざ使ってみていつも気になっていたのがその内面処理。黒のアルマイト処理、あるいは黒塗装はなされているものの、見た目ツヤツヤだったり遮光線すら切られていないものも多い。そこで植毛紙を貼ってカバーしたりしていたが、段差やピンの穴なども多く、すみずみまで処理するのは無理。どうしようかと思っていたときに出会ったのがこの「真・黒色無双」だ。

このメーカー、実はカメラの内面反射処理ではすでに大活躍していて、オリジナルとしてはカメラのミラーボックスなどマウント内部の処理材、さらにはシャッター幕、絞り羽根などの材料も取り扱っているらしい。遮光のエキスパートといったところだろう。

で、モノはというと扱いやすい水性アクリル塗料。なので、扱いは非常に楽だ。試し塗りしてみて驚いたのは、やはりその “黒さ”。塗ったときは液体なのでまだツヤツヤしているが、乾くと奥行きを感じないほどの漆黒で、笑えるくらい黒い。最高のポテンシャルを引き出すにはエアブラシが最高とのことだが、筆塗りでもその効果は十分だ。

塗装する場合は下地処理をていねいに

といっても、ホイホイと何も考えず塗るのは禁物。本番塗りには、やっぱり下地処理を十分にしておきたい。そのまま塗るだけだと、引っ掻きなどには弱く、塗膜が取れかねない。センサーなどに付いてしまってはイケナイので、メタルプライマーで下地処理してから塗りたい。そうすると、かなり剥がれにくくなるので安心。また「真・黒色無双」は二度塗りはしたいところ。そして塗ったところはよく乾燥させて、極力触らないこと。

ただ、いきなり内面というのはハードルが高い、と感じる人も多いかもしれない。そんなときにはフードの内面処理を試してみて、その黒さを実感するのがオススメ。最近のフードはプラの整形しっぱなし、内面の遮光線のみの製品も多く、まあそれでOKとメーカーは踏んでいるのかもしれないが、やっぱり以前の植毛タイプのフードを知っていると物足りなく感じる。そんなときこそ内面にこの「真・黒色無双」を試してみてほしい。その黒さを実感できるはずだ。

プラスチックのフードの場合も、やはり下地塗りはした方がいい。フードの内面は触ってしまう機会も多く、引っ掻いてしまう機会も多くなり、より剥がれにくい処理をした方が安心だ。あまりにも大きくキズが入ってしまった場合はそこを塗り足すだけで十分。

【2022ベストバイ】増田賢一さん
最初はフードで試すのがオススメ。左が二度塗りしたもので、右は未塗装。直接塗装だと剥がれやすいので、プラ用のプライマーで下地処理をすると剥がれにくくなる。

ということで、我が家の格安マウントアダプターにほとんど塗ってしまった。ボトル内にはまだまだ余ってるので、カメラ以外にも黒レフの表面に塗って光を抑えるのに使ったり、いろいろ応用どころがありそうだ。