ニコンは、Zシリーズ用の中望遠単焦点レンズ「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」を2023年3月24日に発売する。価格はオープン。市場想定価格は約405,000円 (税込)。
「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」は、ハイグレードシリーズ「S-Line」の中望遠単焦点レンズ。発売中の「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」と同じ設計思想に基づき、高い解像力と美しいボケの描写にこだわって開発された。
レンズ構成は10群15枚。EDレンズを1枚使用することで、ボケのエッジ部分の色づきを抑え、2枚の非球面レンズを効果的にレイアウトすることで、ディストーションや球面収差などの諸収差を補正している。ピント面では高い解像感を見せ、ピント面から遠ざかるにつれてなだらかに変化する上質なボケが得られる。
85mmという焦点距離もあり、開放F1.2から得られる浅い被写界深度はポートレートに最適。絞り羽根の枚数が11枚と多い円形絞りで、約2段絞り込むと、画像周辺部でも美しい玉ボケが得られる。また、「ナノクリスタルコート」を採用し、ゴーストやフレアを抑え、画面内に太陽などの強い光源が入るシーンでもクリアな描写となる。
AFアクチュエーターにSTM (ステッピングモーター) を2個使用したマルチフォーカス方式を採用。開放F1.2の浅い被写界深度でも正確にピントを合わせる高い精度を確保する。複数の光学系を移動させるため、近距離性能も向上しており、ポートレートなどの近距離の撮影でも高い光学性能を発揮する。
STMによるAF駆動は、動画撮影時にも大きなメリットをもたらす。ゆっくりとフォーカシングを行う際にカクつくことはなく、スムーズにピントが合う。作動音は静かで、録音される心配はない。フォーカスブリージングの抑制に配慮した設計であることも動画撮影にはプラスとなる。
鏡筒の2つのコントロールリングには、フォーカシングのほか、絞り値、ISO感度、露出補正を割り当てることが可能。さらに、レンズ側面に設けられたL-Fnボタンには、AF-ONやAF-Lなどさまざまな機能を割り当てることができる。なお、レンズ各部にはシーリング、マウント部にはゴムリングを採用し、高い防塵・防滴性能を確保している。
NIKKOR Z 85mm f/1.2 S 主な仕様
対応マウント ニコンZマウント
焦点距離 85mm
レンズ構成 10群15枚 (EDレンズ1枚、非球面レンズ2枚)
画角 28°30′ (撮像範囲FX)、18°50′ (撮像範囲DX)
開放絞り F1.2
最小絞り F16
絞り羽根枚数 11枚 (円形絞り)
最短撮影距離 0.85m
最大撮影倍率 0.11倍
フィルター径 82mm
最大径×長さ 約φ102.5×141.5mm
質量 約1160g
付属品 レンズキャップ LC-82B、裏ぶた LF-N1、レンズフード HB-106、レンズケース CL-C2